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Posted by あしたさぬき.JP at

2017年02月13日

カメムシ年報2016

忘れないうちに去年のカメムシの記録をしとくで。

去年は1月下旬の大寒波を除けばエルニーニョ現象で暖冬傾向が続いてカメムシの越冬世代が動き出すのも早かったな。越冬世代の活動は目立たんのやけど、スタートが早いぶん第一世代の出現も早くなる。例年、ミナミアオカメムシ第一世代が成虫になる寸前に終わるようにスイートコーンの作付けをするんやけど、カメムシの前進、そんで運の悪いことにスイートコーンのほうが梅雨前半の長雨で遅れてしもうて成虫が多数飛来。最後のミルキースイーツ88STは久しぶりに悲惨なことになった。



 今年は一番遅いぶんのスイートコーンにおとりのゴマかクレオメを並べておこうと考えとる。


 タバコカスミカメの第一世代出現も早かった。7月5日頃にはクレオメに飛来してた。
 


 どっかの資料にも書いてたけど、タバコカスミカメはクレオメが好きすぎて露地だとアザミウマやコナジラミなんかの動物性の餌があるところへ積極的に移動しようとしないんね。まあいいや。今は個体数を増やすのを優先しながら眺めてニヤニヤしとる。


 タバコカスミカメと並ぶわりと露地でもホイホイと集まるとされる土着天敵カメムシ、ヒメハナカメムシ。今年もチラホラとしか見なんだなあ。バジルとかオクラとかご用意してお待ちしておりますのやけど。オクラの水晶体が大好物なんな。わし本職のオクラ屋さんやきん、アーリーファイブとかグリーンソードとかを早うからトンネル巻いて元肥窒素なしで、収穫開始してもあんまし栄養成長に傾かんようにヒョロヒョロに作るやん。そのほうがようけ取れるし収穫作業も楽やし。んでもそういう管理の仕方やと水晶体がつくのって蕾がでけてから実が取れ出すくらいまでなんな。まだ5月。カメムシあんまり動かん時期やな。丸いオクラが水晶体ようつくって言うけど、五角オクラも品種によって水晶体のようけつくつかんもある。中々一石二鳥とはいかんもんやな。まあいいや。一石二鳥は諦めて別の策を。


 他の天敵カメムシでは、ヒマワリ種を乾燥させてる妻面開放ベトコンハウスにイヌビユを生やしとったらハスモンヨトウやシロオビノメイガががいにわいて、それを食いにシロヘリクチブトカメムシが大勢やってきてわーい、たーのしー!おもしろーい!ハスモンヨトウを捕食するシロヘリクチブトカメムシのフレンズ↓



 ミナミアオカメムシの話に戻すと、オクラの吸汁被害をおとりのゴマクレオメによって無視できる程度に留める技術はほぼ確立したと言ってもええな。西日本某県農試もダイズの吸汁被害を軽減するためのおとり作物を検討しとるらしい。スイートコーンもそうやけど、大面積の作物に対するおとり作物はなかなか難しいんとちゃうやろうか。

 今年も水稲が終わったあと、ブロッコリー圃場へ集団で移動するミナミアオカメムシの姿が見られたよ。



 ゼロ年代ほど残暑が厳しくなくなったのと秋の天候不順、あるいは水稲経営面積の増大で遅くまで稲が田んぼにおるようになった。あとここ2年くらい晩秋がヌルいんな。そしたらどうなるかというと、大好きなお米の脂分をたっぷり吸ったカメムシが元気いっぱいでナイスショットナイスイン。葉や花蕾も吸ってる。困ったねえ。
 
 こちらにミナミアオカメムシによるブロッコリー花蕾の吸汁被害の様子が(東京都のPDF)

 そうそう、とうとう東京でもミナミアオカメムシが確認されたなあ。房総半島のぬくいところにはおったそうなんやけど、一昨年神奈川県で確認されてさらに東進。タバ作戦が失敗に終わったわけやな。


 長くなったので続きはまた今度。
 
 




  

Posted by kazuzo at 00:42Comments(0)草や虫や小動物

2015年03月09日

伊丹でわしも考えた。

 なんかたまに更新したらどっか行った話ばっかりでごめんなんやけど、昨日伊丹市昆虫館であった昆虫食のイベントに行ってきたんやが。ああ、去年はカメムシの展示を見に行ったなあ。


 伊丹市昆虫館は昆陽池公園っていう公園の中にあるんや。20代の頃わしは豊中市というところに住んどって、そこから西宮市内の競輪場に自転車で通いよったわけなんやけど、よく行き帰りにこの公園に寄り道した。おっきな池見ると懐かしいというか落ち着くんな。ほんといい公園だよ。その頃のわし↓












 展示はいつものように手作り感と熱意が伝わる素晴らしいものやったなー。わしはどしてもカメムシばかりに目が行くけどな。なになに、タイ東北部でランとハーブとカメムシエキスで香水作っりょるって?ええこと聞いた(個人の感想です)。


 ほんで、今日のお目当ては3時間にも及ぶトークイベントなんな。この世界の大家お二人が登壇されるという豪華さやが。応用昆虫学の三橋淳先生、昆虫民俗学の野中健一先生。わし今家の光協会の『地上』誌で「まんのう読書日誌」っていう連載をやっりょって、そこでお二人のご著書を紹介させてもろたことがあるんや。憧れの先生方やが。紹介した本はまんのう町図書館に並べてもろとるきんよかったら見てつかよ。

 三橋淳先生先生は80歳を過ぎたとは思えない矍鑠としたお話ぶりで世界の昆虫食を紹介された。野中健一先生は実に楽しい掛け合いでこちらの大島さんとへぼ(蜂の子)文化について。夏に森の中で巣を探して、まだ小さな巣を大きく育てて、そんで中の幼虫を食べる。その過程がもう全部楽しそうなんやが。へぼっていうんはクロスズメバチのことなんやけど、わしちょっと勘違いしとって、わしの中でのスズメバチのイメージ真ん中のオオスズメバチやキイロスズメバチみたいな喧嘩っ早いやつらと違って、ミツバチ並みの大きさでわりと大人しいんやって。そして美味しい。

 野中さんの話の中で、水田のネオニコチノイド農薬でミツバチだけじゃなくてクロスズメバチが減るっていう話があって(実証できないんだけどとおっしゃってたけど)、農家たるわしはちょっと考えてしもうた。別にネオニコチノイドじゃなくても水田でハチを巻き添えにしてしまう農薬はあるし、斑点米製造能力の高い大きなミナミアオカメムシなんかをシバける農薬はたいてい巻き添え型なんな。カブラハバチみたいな例外を除いてハチは農家を助けてくれる。受粉だけでなしに、スズメバチやアシナガバチはイモムシ食ってくれるきんな。ハチを殺したいなんて思うわけがない。そんなわけで稲に集まる前にカメムシの越冬世代、第一世代を人間が天敵となって捕食してしまえっていうのがわしの提唱するEPM(Eat&Pest Management)なんな。でもそのためにざっくりとした乱暴な農薬の「物語」に頼りたくないんよ。わしがそれやってしもうたら嘘になるでないか。

 その後、売上げが最近倍増してるっていう長野の昆虫食材メーカーさんとか、昆虫を災害食にしようとしている管理栄養士さんとか、昆虫食を地域おこしのにぎやかしの一環に利用しようとしている若者がちょっとずつしゃべる。みんな元気やなー。だって昆虫食のこのイベント超満員やもんなあ。去年わしがなんとなく募集してみた「カメムシを食べる会」なんてFacebookで30くらいいいね!がついたのに集まった人間ひとりもおらん。いいね!したん全員カメムシかよ。

 なんとて今ブームっていうことで鼻息荒い人は欧州にも多いげなんやけど、FAOの昆虫食のほうにも関わっておられる野中先生の締めのお話を総合するとどうもバブルみたいな…。野中先生は楽しけりゃそれでええやんとおっしゃる。うん、わしもそう思う。天敵を使う農業楽しい。うまいことやって省力化できればその間に競輪もでけるしな。さらには自分が天敵になったらもっと楽しいのではっていうのもEPMの大きな動機の一つやが。

 三橋先生の締めのお言葉は、偏見の強い日本で昆虫の姿形そのままの昆虫食を普及させるのは無理というものやった。御年80を越えた斯界の第一人者の言葉のなんと重いことか。そしてそれに続けて、ちょっと声のトーンを上げておっしゃったのは、近い将来の火星移住計画における昆虫食の重要性であった!ちょっとわしは感動したよ。わしもいつまでもギラギラと前を向いて歩こう。EPMが花開くのがわしが80になる40年後でもええでないか。まずはカメムシ粉末を作るためのミルを買おう。どうせ台所にあるやつは使わせてもらえんやろうきんな。



 最後に、告知にはなかった昆虫食の試食会。うれしいな。



 へぼは幼虫も成虫も美味い!人によっては食べる前の一週間くらいはエサに肉ではなく砂糖水を与えるそうで、そやきんかしらん、食べたやつ、火で炙っただけやのに絶妙に甘くてご飯もビールもたくさんいけそうな珍味やった。周りを見ると子どもからお年寄りまでニコニコしながら虫を頬張っとる。タンパク源なんて昆虫じゃなくてもまあ正味の話いっぱいあるわけで、わしらは文化を食ってるわけや。そんなわけでまずは楽しくないといかんよなあ。最低条件や。





 お土産買ってきた。食べてみたいっていう人は言うてつかよ。わしの楽しい虫話で食欲がわくこと間違いなしや。
 
  


Posted by kazuzo at 22:50Comments(0)草や虫や小動物

2014年07月25日

カメムシでお土産物を作ろう。

 今年もカメムシの夏がやってきたな。日本の夏カメムシの夏。セミやってカメムシ目やきんな、うそは言うとらんで。




 今年もコーンにわくミナミアオカメムシ。まあようけおることはおるんやけど、他のカメムシもよく見た。シラホシカメムシ、ブチヒゲカメムシ、アカスジカスミカメ、ホソハリカメムシ、マルカメムシ、コーンにはこいつらがおったなあ。ナガメが種取り用のルッコラに。「ナ」ってついとるということはアブラナ科につくカメムシな。キクにもこんまいウスモンミ ドリカスミカメ、ヒメナガカメムシがおる。いろーんなカメムシが目立ってようけおる。何年かぶりに冬がぬくかったきんあ。

 今年はゴマをちょっとだけ植えてみたんやが。ゴマがアザミウマを食べてくれるタバコカスミカメを集めてくれると聞いてな。そいつにキクにつくアザミウマを食ってもらおうという算段。オクラが集めるヒメハナカメムシとダブルで攻撃やが。


 

 やってきた。そんでこいつを温存すべくカメムシを殺さない殺虫剤を選んで使ってたらキクを吸うカメムシがわいたというわけやが。うまいこといかんのう。

 
 ん?

 


 問題です。この中にミナミアオカメムシが何匹おるでしょうか。そうなんよ、ゴマにミナミアオカメムシがようけわいとる。これは知らんかったなあ。こいつら果菜の汁を吸うイメージやけど、より栄養のある種子を好むきん、道理ではある。うちの畑で見よったら、オクラよりコーン、コーンよりゴマが好きな感じ。飼うときは豆とかヒマワリの種で飼うと元気にいっぱい交尾して子孫をいっぱい作るよ。

 ゴマにこれだけ集まってくれたらカメムシを採集するの楽やなあ。おとり作物としてええかもな。ゴマ自体は種は安いし収穫しようと思わなんだらほぼ放任ででける。

 というわけで今年もこいつらを銭に変える試み。今年は七次産業でお土産を作ろうがテーマや。七次産業っていうのは普通の六次産業に狩猟・採集が加わるきん七次な。お土産にでけるような特産品を作れば地元の人にも観光客にも喜ばれるって六次産業のセミナーでゆってた。


 

 畑を疾駆する四輪鍋。取ってすぐ熱湯に放り込む。ちょう新鮮。虫カゴに取って台所でお湯に入れようとするとこいつら逃げるきんな。そんでわしが怒られる。


 

 やっぱり栄養豊富な種子を吸いよるきんか卵をよう見かける。


 

 孵化したて。


 このベイビーたちは、越冬世代→第一世代を経た第二世代。こいつらが平地のコシヒカリやヒノヒカリに斑点米を作るやつや。このゴマ区で止める(去年のオクラ区の様子)。そしてお土産となれ。


 茹でて、水切って、そんでオリーブオイルに漬けた。




 試作品ではあるけれども名前は「カメザイル」がええと思うんや。となり町琴平のヒットお土産「ガアリック娘」の隣に置いてもらいたいきんな。それにカメムシも集合フェロモンでようけ仲間を呼ぶしな。


  


Posted by kazuzo at 21:56Comments(2)草や虫や小動物

2014年04月11日

これはいいカメムシだらけ。

 伊丹の昆虫館で「カメムシだらけにしたろか~!」っていうおもっしょい展示が話題になっとったん知っとる?オクラや稲やスイートコーンやっりょったら毎年カメムシだらけというかカメムシまみれというかそんなんやけど、どうも今年も果樹につくカメムシが越冬数が多いみたいやから注意せよとのお達しが早くも西日本各県で出とる。去年大発生したきんな。そら越冬数も多いわな。野菜やコメにつくミナミアオカメムシも去年同様に多かったきん、注意せないかん。

 で、カメムシを迎え撃つ対策として、「食われたら(正確には吸われたらなんやけど)食い返せ」というのを提案しとるんやけど、いまいち発展がない。というかわし決定的に料理が苦手で、周りの料理ができる人は虫なんか食べるかーっていう反応で、食器も皿も別にされ、どうしたもんやら…。そこでヒントを求めに伊丹市昆虫館にこの前行ってきたんやが。

 
 カメムシの魔女の結界へ。



 
 いやこれが素晴らしい展示で、カメムシのいろんな側面をほんま四方八方から工夫をこらして紹介しとんな。詳しくは「カメムシだらけ」とかでググッたらいっぱい記事が出てくるきん、わしは農業に関係するところだけ紹介してみようと思う。




 
 野菜やコメを吸うミナミアオと、果物を吸うチャバネアオ。どっちもはがい。敵を知るために飼ってみるのも手やな。




 
 こっちは農業害虫を食って(汁を吸ってシバいて)くれるカメムシ。いろんな意味で仲間。ここには載ってないけど、カメムシの仲間であるサシガメも肉食でイモムシとかちゅーちゅーしてくれる。がいにはがくて農薬も効きにくいアザミウマを食ってくれるタイリクヒメハナカメムシなどは天敵昆虫として売られとる(参照)。


 そんでメインディッシュこちら。




 わしなんか勘違いしとったわー!カメムシってやっぱりあの臭いが特徴やきん、あの臭いを素材の良さとして売らないかんもんと思っとったけど、海外のカメムシ食い文化でも香りのええ葉っぱとかと一緒にしてごまかしてるやん!わしなんか上にも書いたけど料理できんきん、焼き塩梅を少しずつ変えながら、カレーにのせてみたりラーメンにのせてみたりと艱難辛苦の日々を…ううう。これからはなんぞ香りのええもんでごまかそう。


 というわけで香りのええもんの苗、夢ハウスで今年も販売中やが。



 コリアンダーはカメムシのような臭いがすることでも有名やけど、この臭いがええんやーっていう人には是非、この臭いとともにタンパク質を摂取できるとってもお得なミナミアオカメムシもお勧めする次第やが。



 作業場にポスター貼った。ざっくりとした同定にも便利。

  


Posted by kazuzo at 19:50Comments(0)草や虫や小動物

2014年04月06日

草不可避wwwwwwwwwww

 なんかおもっしょいことがあったとき、Twitterとかで↑のように書く人がいつの頃からか増えて、百姓たるわしはそのたびにドキッとするんや。そうやなあ。草はほんまに避けられんよなあと。大草原wwwwwwwwwwなら関係ないきん笑って見ておれる。

 人間は田畑においては今のところ草に対して完全勝利などでけておらん。手で除草しても、除草剤撒いても、マルチ張っても、完全には防げん。そんなわけやきん、うまいこと付き合うしかないよね。最近心配なのは太陽光発電のパネルをようけ並べとるところやなあ。舗装せずにクラッシャーランや花崗土を敷き詰めたり、あるいは防草シートしいてるところが多いんやけど、舐めとったら草はこあいで~。防草シートなんて数年で突き破ってくるしなあ。

 春になって果樹園の草ががいに大きくなってきたよ。草刈りまんどくさい。腰痛いし。除草剤ふって歩くのもまんどくさい。でも春先には地温上げてやらないかんで、そのためには草を買って陽光を地面に届けないかん。






 一昨年いちじく(蓬莱柿とビオレソリエス)を植えた畑はわしが種を播いたナギナタガヤと、カラスノエンドウやスズメノエンドウ、クローバーなんかのマメ科雑草がこんな感じで混じっとる。去年はナギナタガヤんとこはナギナタガヤだけやったな。さてこれをイネ科とマメ科の理想的な混植状態と見ると痛い目に逢うんやなあ。野菜の前作緑肥として種ができる前に鋤き込むんなら、イネ科×マメ科はええカップリングかもしらん。けど人間の都合のいいタイミングで耕耘するわけではない果樹園ではなあ。たぶんこのままやと、今年はナギナタガヤちゃんと大きくなってべったり倒れて役目を果たすけど、来年はマメ連中、特にカラスノエンドウにやられる。そんで、再来年はマメ連中は連作障害で一旦おらんようになって、今度はマメ連中が肥やした土に吸肥力の強いイネ科雑草ががいに生えてくる。ナギナタガヤはカラスノエンドウにやられてもうおらん。となる。なんでそんなことが分かるかといえばいっぺんやられとるきん。

 そんで、こんなんなったらどうしようかなというわけやけど、カラスノエンドウだけ抜いていくのもまんどくさいきん、窒素肥料をふってやってナギナタガヤに加勢してみようかなとか。マメの連中は根に共生しとる根粒菌から窒素を調達するけど、イネ科はそのおこぼれを多少もらえても、肥料がいるきんな。そんで、肥料があればあるほど吸ってわさわさ分けつして、びよーんって伸びて、穂をたくさんつけて子孫を残すのがイネ科の連中やが。伊達に人間様の主食の地位を占めてないっちゅうっこっちゃなあ。マメ科もダイズがおるけどな。


 

 イネ科マメ科だけでなしに、ギシギシも生えとる。これもがいな草やな。たまたま葉裏を見たら卵塊ががいにようけあって、これはなんぞと思って調べたら、コガタルリハムシっていうタデ科を食う虫の卵げな。周りにソバの畑なんかあったら迷うところやけど、ほっとく。精出してギシギシ食ってつかよ。




 これはカラスノエンドウとかスズメノエンドウとかとよう似とるけどわしが種播いたヘアリーベッチ。野菜畑の空いてるところに播いてるよ。今年は「藤えもん」っていう耐寒性、耐湿性の高いっていう触れ込みのを試してみたんやけど、冬の被覆力は某社のポピュラーなやつよりよかったな(対照区を設けてみた)。あと、藤子F不二雄好きにはたまらん名前やな。ヘアリーベッチは窒素を土壌に供給しながら他の草を抑える便利なやつなんやけど、ナギナタガヤと違ってべったり倒れたあとマメゆえに植物体のC/N比が低いきんすぐ暑い夏に腐熟して、その後イネ科とかの吸肥力のあるのががいに生えてくるきん、どっちかといえば野菜畑で花が咲く頃に鋤き込んでしまうほうがええかなあ。でもこの花はミツバチの好物やきん、置いておきたくなるんやけど。きれいやしな。

 ちなみにベッチもそうやけど、カラスノエンドウもスズメノエンドウも、エンドウって名前やけど、いわゆるエンドウでなしにソラマメの仲間やきんな。これ豆な。  


Posted by kazuzo at 19:04Comments(0)草や虫や小動物

2013年12月07日

四国羅針盤のカメムシの話

 昨日NHKの四国ローカルで晩にやっりょったん観た?番組サイトこれ。カメムシ。すごかったなあ。主に愛媛のみかんにカメムシの害がえらいことになっりょるっていう話なんやけど。あのみかんに群がるカメムシの写真はちょっと衝撃的やったなあ。みかんとカメムシの色のコントラストが派手なきんな。わしも似たような写真、自分とこの畑で今年の夏に撮らせてもろたんやけど、見る?



 緑と緑やきんイマイチインパクトに欠けるなあ。というかインパクト勝負しよる場合でない。でも衝撃やったがー。うちの畑にも、主にオクラとスイートコーンやけど、今年はカメムシがようけわいた。そんでこんな記事を書いたんな。

 ところでみかんなんかの果樹につくカメムシと野菜や穀物につくカメムシは違うんな。番組サイトのみかんのやつとさっきのコーンのやつなんかよう似とるけど。みかんについとったのはツヤアオカメムシとチャバネアオカメムシ。コーンについとるのはミナミアオカメムシ。ツヤアオとミナミアオなんかよう似とるけど、ツヤアオはやっぱりツヤがあってきれい・:*:・(*´∀`*)ウットリ・:*:・

 ウットリしとる場合とちゃうな。みかん農家の人はウンザリしとることやろう。わしも今年のミナミアオカメムシにはほんとウンザリした。食ったろかと思うくらいやきんな。

 まあでもカメムシってきれいですごく微細なバリエーションがあるきん、もし県立図書館にいくことがあれば3冊ある日本原色カメムシ図鑑を眺めてみてつかよ。

日本原色カメムシ図鑑
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 そうそう、ほんで、果樹カメムシと野菜や穀物のカメムシは違うっていう話で大事なこと。番組ではカメムシ増加の原因として、夏の間にカメムシの居場所になるスギやヒノキの人工針葉樹林のことを採りあげとったけど、あれは果樹カメムシの話な。ミナミアオカメムシとかホソヘリカメムシとかはそこいらにおる。あとミナミアオによう似たんにアオクサカメムシっていうのもおって、近くに針葉樹林がない平野部の洗濯物に緑いろのがついとったらたぶんミナミアオかアオクサやきん、人工造林のせいにせんとってな。特に花粉症の人とか。

 果樹カメムシのことは専門外やけど、スギ、ヒノキの林と果樹園を行ったり来たりする以上、農業と林業の連携が必要になるやろうなあ。ところが林業は農業以上の衰退産業。木はいっぱい生えてるのに伐る人がおらん。おっても買ってくれる人がおらん。間伐や枝打ちする費用も出ん。困ったよなあ。そんで人工造林に近い果樹産地って、だいたい海の際まで山がせり出しとるようなところで、山の斜面にみかんの木を植えるしかなかったような場所。当然高齢化にもさらされとるやろう。スギやヒノキの上から農薬散布したら…環境保護団体に怒られる前にその費用だれが出すんやっていう話やな。

 番組では最後に、農薬散布にも限界があること、あといわゆるIPM防除(イモムシんときにちょっと触れた)に触れたり、消費者の理解を求めたりしとったなあ。でもカメムシって防除がやっかいなんな。まず農薬やけど、カメムシしばける薬って、有機リンとか合成ピレスロイドとかネオニコチノイドとかみたいな選択性の低い(天敵や他の虫を一緒に殺しがち)ベタな殺虫剤しかないんな。イモムシとかアブラムシとかやったらそいつだけしばける剤があるんやけど。そういうベタなのばっかり使いよったらなにが起きるかというとやな、他の害虫を食べる天敵を殺してしもうて他の害虫が大発生することがある(リサージェンスっていうんや)。例えばミカンハダニなんかでありがち。ちなみにアオカメムシ類みたいなでかいカメムシにはあんまり有効な天敵がおらん(ほんだきん、人間が天敵になってはどうかと提唱しよるわけやけどな)。そやきん、IPM防除の基本である天敵温存もできん。フェロモンとか光で呼び寄せて捕殺することもでけるけど、施設栽培みたいな狭い範囲ならともかく広い畑や果樹園ではなかなかめんどいな。10mm以上ある大きな虫やきんネットを張るという手も有効やけど、これも広いとこでは無理。

 やっぱり我々人間が天敵になるべきではなかろうか。NHK松山放送局の皆様、追跡取材にはぜひまんのう町へお越しください。ご試食も可能となっております。すまんのう~。  
タグ :カメムシ


Posted by kazuzo at 19:29Comments(0)草や虫や小動物

2013年06月28日

進撃の農民-オクラ区攻防戦2-

 これの続き。

 
 もうな、カメムシ、食ってまおうで。農薬で駆除するためには他の虫を巻き添えにするほかなく、IPM的な管理にも大きな労力を要するとなるとやな、せっかく投入した労力を直接的に栄養なりお金に変える方法を考えるのも手かなと思うんやが。インセンティブがあれば駆除も進む。猪や鹿なんかの有害獣が増えたのはハンターがおらんようになってしもうたきんや。しかしジビエが注目されて駆除したやつの肉がええ値段で買うてもらえるとなるとじゃあ獲ろうかということになる。それを虫でもやってみよう。キャッチコピーは「とても身近なみんなのジビエ」でどうや。

 日本ではイナゴや蜂の子を食べる文化はあってもカメムシを食べる文化はない。しかし東南アジアとか南アフリカではわりと食う。日本では食べ応えがあるような大きなカメムシは少ないけど、ミナミアオカメムシはそのひとつと言えるんとちゃうかな。ではミナミアオカメムシって食えるんやろか。カメムシっていうてもほんまにようけ種類があるきんな。そういうときには三橋淳さんの『世界昆虫食大全』を参照すべきやが。

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 今手元にないきんページとか覚えてないけど、ミナミアオカメムシは中国で薬用として用いられたという記述がある(14/7/5追記:学名でちゃんとすみずみまで調べたら東南アジア、アフリカ、メキシコと世界中で食べられとった。わーい)。よし、食えそうやが。虫にも寄生虫持っとったりあるいは虫自体が毒やアレルゲンを持ってたりすることがあるきんな。歴史や文化を参照することが大事やが。これはなにも虫に限ったことでなくて、野菜も果物も肉も、人類の歴史の中で選択されてきたものやきんな。
 
 商品化に向けてまずはわしが食ってみる。
 
 オクラ区で獲物を物色する180cm級農民(端数四捨五入)。

 


 おった。

 

 交尾しよる。いっつもたいてい交尾しよる。捕食者の前でもしよる。なんたる家畜の安寧!!虚偽の繁栄!!ほんでこいつら、交尾しよるんを捕まえようとしたら、くっついたまま逃げるんで。そやきんすぐ捕まる。離れてバラバラに逃げたらええのに。

 
 その点こいつは違う。



 ホソハリカメムシはすごく敏捷に飛んで逃げよるんや。立体機動っていうんやろか。そんな感じ。こいつもオクラやコメの汁を吸うワルソやけど、ミナミアオカメムシほどの被害は出さんし、細くて食べ応えがなさそうやきんスルーする。

 余談やけど、ホソハリカメムシによく似た名前のホソヘリカメムシっていうんがおって、こいつについて最近すごいことが分かったんやが。虫が農薬に抵抗性をつけるのは一般に農薬から生き残ったもんどうしが交配してまた交配してと、遺伝的に強くなっていくもんやけど、こいつはなんと農薬を分解する細菌を体内に共生させて農薬に強くなってしもうた(参照)。びっくりやが…。


 巨人はその場でむしゃむしゃやるけど農民はそんなことしない。全裸でもないし。おうちに持って帰る。

 

 囚われた屈辱?まあ諦めてつかよ。さっきも書いた寄生虫などの恐れもあるきん、虫は火を通して食べる。これは世界中たいていそういうふうな文化になっとる。


 

 専用調理器具。周囲の理解がぜんぜん得られてないきんな…。

 

-----------------------ここから閲覧注意。虫が苦手な人は注意してつかな----------------------------------------










 カメムシは例のなんとも言えん青臭いにほひがあるなあ。そのままではちょっと気になるきん、臭いの汁を抜いてやる。熱湯につけるとびっくりして汁を出してしまうんや。





 それを水洗いして油で炒める。バチバチ弾けて油が飛んで熱いでないかー!水切りもっとちゃんとせないかん。迸る衝動でなしにIHクッキングヒーターにその身を灼きながらでけあがり。





 うーんちょっと焼き過ぎた。炒めよったらまだ残る青臭い臭いがだんだんタンパク質が焼ける臭いに変わっていくんやけど、その塩梅が調理の最大のポイントちゃうやろか。これでも干しエビみたいで香ばしくておいしいんやけど、カメムシらしさがない。ほのかに臭いが残るくらいが売りになるんと違うやろうか。

 家族に試食を求めたんやけど、誰も食べてくれんで全部わしが美味しくいただきました。これをお金に変えるには料理食品加工の心得のある協力者が必要なんやけど、どうしよう…。誰かおらんかえ。虫で六次産業や!!レッツビギンや!!

 まあいいや。みんなもミナミアオカメムシ食おうで。わりあい美味しいで。特に斑点米や農薬の問題について関心のあるみなさん、どうですか?無農薬や有機農法の人の新たな収入源にもならんかな。時代はテデトールからヤイテタベールやで。  


Posted by kazuzo at 18:29Comments(0)草や虫や小動物

2013年06月27日

進撃の農民-オクラ区攻防戦1-

 オクラの収穫が始まったんやが。今年は去年に続いての5月の旱魃でがいにあずったが。大きくならんのはまあ別にええんやけど、乾燥するとアブラムシがわく。それをマルチ大麦やシルバーテープでしのぎながら、雨で窒素がガッツリ入るときに備えて定期的に亜リン酸を葉面散布。ようけわいたところにはこの手の気門封鎖剤で支援。なんとか凌ぎ切った。

 この時期アブラムシを防除するんには普通、オルトラン水和剤モスピラン水溶剤を散布すればまあまあ楽ちんなんやけど、今年は使わなんだ。なんでか。同じ畑で菊を育てとるんやけど、菊にがいに悪さをするアザミウマを食ってくれるヒメハナカメムシというカメムシがオクラにようけわいてくれるんや。オクラでヒメハナカメムシを増やして菊に派遣しようというわけやが。ところがオルトランみたいな有機リン剤やモスピランみたいなネオニコチノイド剤を散布するとカメムシ死んでまう。というわけでそれらの殺虫剤は温存したんや。…でも今年は乾燥が激しくて十数年ぶりのアザミウマ当たり年、菊への農薬散布の油断もあって結局菊はがいにやられてしもうたけどな。

 そんでオクラの収穫に入ったんやけど、こらどいや。ミナミアオカメムシがようけおる。佃煮にするほどおる。こいつはよいこのヒメハナちゃんと違ってオクラの実に口を突き立てて汁を吸い、売り物にならんようにするワルソ。毎年湧くんやけど、今年は5月のイネ科緑肥にもチラホラ見かけたこともあって多いかもと思っとった。実が生る前のアブラムシ防除にカメムシも同時に殺す剤を使わなんだきんよけいにわいたんかもしらんなあ。

 ふむう、どうしようか。こいつは今はオクラにおるけど、8月になって早いぶんのコシヒカリの穂が出たらそっちに移動する。そんで、今度はコメの汁を吸うていわゆる斑点米を作るんや。斑点米がでけると、味は変わらんのやけどコメの等級が落ちて農家が困る。香川県は高温障害もあって、近年はずっとコメの一等米比率は底辺を彷徨いよる。そのために高温に強い「おいでまい」っていういまいち内向きでパッとせん名前の新品種を開発したんやな。しかし品種改良でカメムシ害を防ぐことはできん。じゃあどうしようかというわけで農薬を散布するんやが。カメムシに効くのは有機リン剤とか合成ピレスロイド剤とかネオニコチノイド剤とか。

 最近はネオニコチノイド剤を使うことが多いな。古い有機リン剤とか合成ピレスロイド剤は虫が抵抗性を持ってしまった場合があるきんな。でもしかし、稲に対するネオニコチノイド剤の散布でミツバチがようけ死んだという話が出た。EUなんかでもネオニコチノイド剤によるかもしれないミツバチの減少が取りざたされたりたりして、とうとう最近、3つのネオニコチノイド剤をとりあえず2年間やめてみようということになったんな。古い有機リン剤や合成ピレスロイド剤もミツバチ殺すんで。こういう古い農薬は選択性というてターゲットだけを殺す性質が低いきんな。禁止された三剤も元々ミツバチに対する急性毒性が強い剤やった。ネオニコチノイドいうてもこの三剤の何百倍もミツバチに対して毒性が低いやつもある。さっきいうたモスピランとかバリアードとか。問題は急性毒性以上に、ミツバチの社会を破壊する、いわゆる蜂群崩壊症候群を起こす作用のあるなしで、最近はそういうことを確かめようと設計された実験もあるんやけど、うーん、どうなんやろなあ。わかんない。EUの決定も意見が大きく割れたようやしなあ。有機リンや合ピレ剤あるいはバリアードみたいな元々ミツバチに対する急性毒性の低いネオニコチノイド剤を対照区に設定した実験があれば有意義やと思うんやけど。

 イモムシとかアブラムシとかハダニに対してはハチを殺さない殺虫剤がいくつもあるんやけど、残念ながら今のところカメムシにはない。こんな状況を憂う人の中にはコメの検査精度を見直してはどうかと提案してくれる人もおる(参照)。この点に関してはわしも賛成。農家の農薬コストや労力も減るしな。他にカメムシを防ぐためには畦や水田の周りの草をうまいこと管理するとか。でも、こういうの言うは安しで、大規模にやってる人は草刈りの労力が大変やし、どんどん弱くなる農村のコミュニティ全体で取り組まないといけないことやし、イネ科雑草の生えてる耕作放棄地があればもうそれでゴジャハゲ。オクラみたいにカメムシを集める作物を作るなというのもアレやしなあ。そこでわしは考えた。

 お腹すいたきんこれくらいにして明日か明後日に続く。




   


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2012年11月01日

何が生えてくるか分からない。



 ブロッコリーの出荷が始まったがー。今年は稲の跡に作らない畑にいつもより10日早め、8月末から定植を開始したんやが。そしたら収穫は20日早く始まった。品種も違うしな。今のところは厳しい残暑の影響で少し高温障害が出とるけど、それも次第におさまってくるんとちがうかな。

 初めて手がける畑でブロッコリーがうまくでけるかどうかはドキドキしたりワクワクしたりガクブルしたりいろいろやけど、気候以外で予測でけんのはどんな草が生えてくるかやな。それまでどんな草が生えとったかわからんきんな。

 元休耕地で年に1度程度トラクターが入る程度に人の手が入ってる畑(4枚ある)が一番ガクブルしとったんやけど、それは全くの杞憂やった。どれもこんなんや。



 ハコベとかホトケノザみたいな背の低い草ばっかりやが。これはまあまあやりよい。養分をブロッコリーと取り合いすることはあっても、光合成の邪魔をすることはないきんな。冬に乾燥するようならこいつらが土壌の水分を保持してくれるかもしらん。よって放置することにする。まあ野菜畑には生えてないことにこしたことはないんやけどな。果樹園に生えとったらえこ贔屓して残す草。ホトケノザなんかは養分のない土地に繁殖する草やきん、休耕地に種が落ちとったのはまあ結果論やけど納得ではあるなあ。

 今収穫しとる畑は去年まで水田やった畑。どうも裏作はしとらんかったみたい。今年の春に初対面したときはスズメノテッポウが生えてたなあ。水田の裏では一番ポピュラーな草やな。ところがブロッコリー作ってみたらスズメノテッポウではなくてアゼガヤがようけ生えてきた。スズメノテッポウは発芽の時期が今頃みたいに涼しくなってからやきんかな。それに雨が多かったしな。このアゼガヤががいなんや。イネ科やきん肥料をよう吸ってどんどん伸びる。早生ブロッコリーと背高比べをして勝ってしもうた。もちろんわしら人間の土寄せや草刈りをかいくぐってやが。



 ほんまにイネ科雑草の負けず嫌いには恐れ入る。オクラみたいに密植して直立する作物の間にヒメシバとか生えとるやろ。そしたら普段地際をうろうろ這いよるヒメシバが日光を求めてオクラとまた背高比べをはじめるんやが。びっくりするで。

 そんでアゼガヤやけど、まあ緑色のブロッコリーに赤い穂が映えてよう目立ってふが悪い。でも収穫開始したしまあええかと放置しとるんや。そしたらブロッコリーの花蕾の上に種を落としよる。これはのけないかんがー。普通に異物やし、雑草の種を広げたら生態系的にあれやきんな。ひょっと、ブロッコリーの流通に乗せて子孫を遠くに運ぶためにブロッコリーの外葉より背を高く伸ばしたんとちゃうかと妄想するくらいのたくましさやなあ。

 水田跡ではだいたいはさっきも出たスズメノテッポウとナズナ(いわゆるぺんぺん草やな)が定番やけど、今年は見たことないのが生えてきた。



 スカシタゴボウかなあ。ちょっと見、きれいやけど、これもがいなきん刈らないかんなあ。水田の場合、草の種が水に乗って流れてくるんな。それが思わぬ草生を創りあげることがある。おもっしょいけどなるべく大人しいぶんを連れてきてほしいもんやが。


 ところで今、道路沿いの耕作放棄地なんかではセイタカアワダチソウが花盛りやな。あれ見てみんなはどう思う?わしには禍々しく見える。突然やけど、魔法少女まどかマギカの世界観で無理やり例えるとやな、野菜や米が作られよる畑や田んぼは魔法少女や。その魔法少女が農地としての悩みや憎しみ(栽培や政策やの失敗、後継者不足、価格不振など)を溜め込みすぎて希望が絶望に変わるとき、農地は放棄され、セイタカアワダチソウの群生に変わるんや。そんな耕作放棄地は魔女の結界や。禍々しい。そこには農地の絶望が渦を巻いておる。ときどき、宇宙の法則が書き換えられたり(農地転用)、絶望の縁から他の魔法少女に救い上げられることもあるけどな。実は先に挙げたホトケノザやハコベの畑のうちの一枚もそんな魔女やったんや(参照)。わしってほむほむ?

 多くの人にはなんのことやらわからんやろうけど、ちょっと言うてみたかっただけなんや。こらえてつかな。  


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2012年07月11日

わしはこいつを食わねばならぬ。

 スイートコーンを夢ハウスに毎朝出っしょんやけどな。スイートコーンにはアワノメイガという害虫がよいよ困る。メイガ類の常として茎に入って中を食う。それだけやなしに実の中にまで入って食う。実に入ったら市場出荷ではものにならん。直売所では食害部分を丁寧に除去して安く買うてもらいよる。それにしても、はがいはがいまじはがい。こんなんにされるんやが。



 虫に食害されると見栄えが悪くなったり気持ち悪いだけでなしにな、食害部分が腐敗したりする。人間に悪影響のあるカビなんかが生えたらどうしよう。それは食品衛生的にも困るよな。2回ほどイモムシだけを殺すBT剤を散布したけどこれだけ雨が多くては効きが悪い。






----------------------注意!ここからイモムシ画像がっつり世界です!---------------------------------------















 日曜の朝、実から出てきたアワノメイガは丸々と太ってでかかった。もちろん実は食い荒らされとる。腹立つ。わしは朝飯も食わずに仕事して腹減っとるのに。わしも丸々と太っとるけどそれは棚に上げておく。ムクムクと、わしはこいつを食わねばならぬという思いが頭の中に起き上がってきた。前にも書いたけど(参照)、去年くらいから昆虫食について興味があって、いろいろ調べとる。でも元々昆虫食文化の希薄な土地柄、わしも虫を食べた記憶なんぞない。わし、おとっちゃまやきんな、なかなか虫を食うふんぎりがつかずに、最近ようやくいろんな理屈をつけて、今年はミナミアオカメムシを食ってやろうと決心したところや。ところが、この虫食いに対する不意に湧いた衝動はどいや。イナゴなどの農業害虫を最初に食った人々もこんな感情に突き動かされたんやろうか。あるいは、こいつが丸々と太って、最高の美味とされるテッポウムシに似ていたからかもしれぬ。とにかくわしはこいつを食うんやが!

 残念ながら出荷に行ってる間にこいつには逃げられてしもうた。地グモに横取りされたのかも知らん。しかし、こいつを食いたいという気持ちは収まらないんやが。

 昨日もアワノメイガに食われた実があって、今度は2匹を確保できた。今度は逃げられないようにカップに入れてラップで蓋をする。しかしラップを食い破って危うく逃げられるところやった。糞をひり出したきん、そろそろやるか…。




 さて、こいつを食らう。どうやって食おう。衝動的にとは言え、寄生虫や微生物のリスクくらいは考える余裕はあるので加熱することにする。シンプルにフライパンで炒ろうと思ったらフライパンの使用を拒否された。あとから考えたらフライパンにアルミホイルを敷けばよかったんやけど、料理の心得がないきん、オーブントースターの使用を思いついた。これが間違いのもとやったんやなあ。

 アルミホイルの端を立てて二匹のアワノメイガを乗せ、トースターにセット。そしてグイっとつまみを回す。しばらくドアを開けて見ていたんやけど、下から熱気が上がってくると、イモムシとは思えないものすごい勢いでこちらに向かって逃げてくる二匹。ああ、これが命をいただくということなんやなあ。端をもっと高く立ててドアを閉めた。



しばらくするといい匂いがしてきた。それが次の瞬間焦げ臭さに変わった。しまった!なんでこんな小さなものを焼くのに3分もセットしてんの。


 
 わしは食べ物を残さないことを信条としとる。そうやって生き物をいただくという業を取っとるつもりやが。真っ黒焦げを先にいただく。持つと軽い。口に入れても炭の味しかしない。もうひとつも口に入れる。大きくは変わらない。美味しく食べてあげられんですまぬ。ああ。今度は美味しく食べるきん許してな。
 


 
   


Posted by kazuzo at 19:38Comments(0)草や虫や小動物

2012年06月26日

カワニナが、川にな、帰ってきたんやが。

 台風と梅雨のおかげで水不足もすっかり解消、真っ白に改修されたのにほとんど水が流れてなかった用水路にもまあまあ田んぼに水を入れるのに不自由せんくらいには水が流れるようになったが。ホッとしたが。

 そんな用水路を眺めとったらこらどいや。カワニナがおるでないか。



 前にも書いたけど(参照)、この用水路は冬に水を抜いて表面の藻やらなんやらを全て高圧洗浄機で剥ぎとって、コンクリートを塗りなんこした。生き物をリセットしたわけやが。そして水が流れだしたのが3月。それから数ヶ月で早から生き物が帰ってきたがー。ちょっとちょっと新次さん、これ早すぎやが。みんなの努力も長老の知恵も子供たちの笑顔もないで。ええ話にならんがな。ええ話にならんかったらそれに付随する商売もできんがな。…まあそんなもんはどうでもええんやけどな。

 カワニナがようけおったのは前の記事にも書いた流れてくるゴミを集めておくためにちょっと深くなった場所の上んとこ。やっぱりここに生き物がたまるようになったんやなー。きっと香川用水の灌漑用水取水開始か満濃池のゆる抜きで流れてきてここに落ち着いたんと違うやろうか。

 もう一箇所、こんまいカワニナがいっぱいおるところがあった。


 これはどこかというと、うちの田んぼに水を引き込む細い水路の入り口から新しくなった用水路に出たとこ。細い用水路におったんが出てきたんやなあ。冬でもたいてい水溜めとるきんわりとカワニナもおる。稲に害を及ぼすジャンボタニシもおらんことはないきん、ほんまは水抜いて泥も取って掃除せないかんのやけどな。うちの場合、野菜に水やるんに使うきんわりとながいこと水がある。そしたら生き物もおるわけで。

 今回の水路改修では細い用水路の堰がステンレスのけっこいのになったところもあるんやけど、うちんとこのは古い木のまま。当然朽ちて端とか欠けとるきん、そこから生き物が出てくることがあるんやなあ。ゲンジボタルはカワニナしか食わんきんな。このぶんやと、意外に早くゲンジボタルも帰ってくるかもしらんなあ。  
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2012年05月29日

ほたる、なんでおらんようになってしまうん。

 節子、それはなあ、まず幼虫のエサになるカワニナがおらんないかん。カワニナがおるためには適度にエサになる藻とか落ち葉があるそれなりにきれいな水の流れる川や用水路がないといかん。用水路やったら古い石造りのほうが生き物は住みやすいな。隙間に砂もたまるしな。砂がたまったらそこでほたるの幼虫が蛹になって成虫になれるきんな。そのような環境がないとほたるはおらんようになる。ところで節子、それドロップちゃう、お前がこの前パワーストーン屋に騙されて買うたただの石やが。

 ただいま農閑期を利用して満濃池から丸亀に至る水路の40kmにもわたる大改修工事中。うちの近くも今年の冬に水路がすっかりきれいになってしもうた。


 ちょっと分かりにくいけど、改修前はこんなん。


 年季の入った藻類に覆われた壁面が驚きの白さになってしもうたな。ちなみに前の水路は底面が石づくりで、そこに微小な生きものたちの住める環境があったんやが。でまあ、ほたる、おらんようになってしもうた。冬に水止めて水路の表面全部高圧洗浄機ではいでしもうたきんな。そら生き物はおらんようになる。

 これをけしからんというのは簡単やけど、そもそも用水路は人間様の都合で水流しておくとこやきんな。言うてみたら田んぼのような、人為によってコントロールされた環境やが。自然破壊と言われればそれはどうかなあと思う。

 用水路が古くなってがいに漏水するようになったらなおさないかん。香川では水は貴重なきんな。ただ、40kmにもわたる全面改修が必要だったかどうかは知らん。田舎によくあるパターンとしては、「お前んとこだけけっこんなってなんでうちんとこは汚いままなんじゃ」みたいな不毛な争いを事前に避けるためみたいな、な。ほんまんとこは知らんで。なんとてこの計画は死んだじいさんが水利組合の役員やった数年前に決まった話で、じいさんそんなこと一言も言わんと死んでしもうたきん、わしも寝耳に水やったんや。でも似たようなことは田舎ではよくある。

 今は生物の住環境に配慮した水路の工法もあると聞く。でもまあコストはかかるわな。そのコストを誰が負担するかといえば水利組合と国が半々とか。香川では幹線用水路でも冬に水がほとんどないことはざらにあるきん、そもそも水生生物には過酷な環境。生き物も水が豊富にあるところに比べたらようけはおらんやろな。さかな?海におります。生き物のおるおらんに対してこういう言葉を使うのが適切かどうかはさておき、費用対効果は小さい。

 そんでも以前おったものがおらんようになるのは寂しいというのが本音やが。水路の底面も壁面もつんつるてんやきん、以前よりさらに生き物には過酷な環境になってしもうたなあ。ほたるが帰ってくるとしてもだいぶ時間がかかるかもしらん。小さな光明があるとすれば、これかな。



 ちょうどうちの田んぼの横にあるんやけど、わざとに深くしとるとこ。流れてきたゴミをここで止めるためというのが目的やろうけど、ここが生き物のゆりかごにならんかな。ちょっと観察していきたいところやが。  
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2012年05月22日

ボロの前にボロボロやが。

 にんにくの忙しいのにかまけてヘアリーベッチ生やしてる畑をしばらく見んかったらえらいことになっとった。ヘアリーベッチが草に負けとるんやが。あわわ。しかももう花をつけとる。花をつけるまで気づかんかった。これはノボロギクやが。漢字で書くと野襤褸菊。襤褸なのにがいななー。すごいがい。



 緑の濃いところはヘアリーベッチが勝っとる。黄色いところにもヘアリーベッチはおるんやけど、劣勢。

 

 ホトケノザも見えよるけど、こいつはまあ問題ない。元々少ないし、畑が肥えてくるとおらんようになる草やが。ノボロギクのほうはちょっとやっかいやが。こいつは花のあと、たんぽぽのようなわた毛をつける。それを飛ばされると周りにご迷惑でないか。というかこの草がこの畑でこれだけ優勢になったんは今まで精出して飛ばしてきたきんなんやろうけど。とはいえわしがこれを放置してよいという道理ではない。参ったな。休耕田を勝ち残った草は強い。これが耕作放棄地になるとラスボスのセイタカアワダチソウが出てくるわけやけど、そこまでいかないだけでもマシか。

 しかしヘアリーベッチ播いて覆土のために耕転したのが4月の10日やが。それから40日でお花畑を作ってしもうたこの繁殖力よ。そのスピードがこの地を支配するに至った秘訣やろうか。植物は一般に養分のない土地ほど早く生殖生長に移るけど、見事に不意を突かれたが。それまでの様子を見たことがなかったとはいえ休耕田を舐めとったな。先に草を発芽させといてトラクターで一網打尽にした上で改めてヘアリーベッチを播種すればちょっとはマシやったかもしらん。

 このヘアリーベッチの畑は3枚あるんやけど、播種量を5kg~2kgまで三段階に分けてみた。さっきの写真は2kgの畑で後で1kg追い播きしたとこ。5kgの畑だけはほぼ勝っとる。これ。


 端のほうは黄色いけど、これはヘアリーベッチのつるが隣の田んぼに入っていかないように播くのを控えたきんな。

 花がついたということはこれ以上は背は伸びんきん、しばらくしたらどの畑もヘアリーベッチが優勢になっていくと思う。しかし種は落ちる。来年以降も困る。他所の田んぼにも飛んで行くかも知らん。苦渋の決断やけどこの5kg区以外は種が出来る前にトラクターで鋤き込んでしまうほうがええな。今の時期ならソルゴーで再出発もでける。
  
 こいつも5kg区に移動させないかんがー。
  


Posted by kazuzo at 19:24Comments(0)草や虫や小動物

2012年05月17日

草コミュニケーションのほうがさしあたっての課題やが。

 農薬コミュニケーションのことを考えとったけど(参照)、そうこうしているうちに季節は初夏が近づきまあ畑も緑色が濃くなってきたな。うちの露地オクラとスイートコーンの畑。今こんなん。



 これ、農家の人やったらまあ草だらけでないか、ざまくいのーと思うやろけど、わざわざ種播いて生やしとる。畝間にはマルチ大麦。畑を囲むようにヘイオーツというえん麦の一種。どちらもムギクビレアブラムシというアブラムシが付くのでその天敵も呼ぶ。その天敵にオクラのアブラムシをやつけてもらう。おかげさまで一番アブラムシが付きやすい本葉の出始めやけど、アブラムシは増殖することなくコントロールされとる。ありがたいな。ヘイオーツはさしあたって作付けしない場所に播いとるんやけど、その間にアブラナ科の大敵根こぶ病の悪さをはたらくネコブカビをこらっしゃげる。マルチ大麦は、暑くなって枯れると畝間の草を抑える。なんと甲斐甲斐しい草たちであろうか!!

 でもうちのおばあには評判悪い。とにかく農村のおばあは草が嫌いやきんな。この畑でなくていちじく園の話やけど、こっちにはナギナタガヤという草を生やしとる。ちょうど今ごろ、暖かくなるとグングン伸びて、梅雨どきになるとべったり倒れて他の雑草を抑える。全国の果樹園を守ってる草やが。ところが毎年おばあに言われる。「このハリガネみたいな草がいちじく枯らすんじゃあ。死んだじいさんに申し訳ない!」漫画みたいな台詞やけど、一字一句このように言われたきんな。その理屈は、草に隠れてテッポウムシ(カミキリムシの幼虫。食ったら昆虫の中で一番美味いらしい)が侵入するそうなんやけど、わざわざ草をかき分けて入ろうとするかなあ。

 さて、この春からいくつか休耕田を借りてブロッコリーを作ることになった。ブロッコリーの作付けは秋。それまでは何をしよるかというと緑肥を作付けして土を肥やすんやが。ところが、知らない人から見たら緑肥も単なる草。しかもでかくなる。もうとにかく生理的に草がすかんという人がおるきんな。借りた畑で作業するときは近所の人に会うたびに説明する。ソルゴーくらいなら知ってる人も多いんやけど、ヘイオーツやヘアリーベッチはこの辺りでは馴染みがない。

 そんなこんなで最近ようやく緑肥をまき終えたんやけど、そんなときよく読んでる北陸の若い篤農家のブログに衝撃的なことが書いてあった(複雑な話なのでリンクは避けるわな)。借りていた減反の田んぼにバンカープランツ(最初のほうに書いたような天敵を集めるための草)を生やして野菜を作ってたら、返してくれと言われたとか。その方はローカルのテレビや、百姓の弁論大会の全国大会に出るような熱心で有名なお百姓さんなのに草を生やしているというだけで嫌がられる。ちょっと戦慄してしもうたが…。もっともうちの借りてる畑は何年か後に水田に戻す減反の田んぼではなくて休耕田だったり耕作放棄地だったり持ち主の方が都会におったりと条件は違うんやけどな。

 問題は持ち主との間だけで起きるとは限らん。隣接する田んぼの持ち主にはちゃんと説明しておかないと、虫が飛んでくるでないかーとトラブルになるかもしらん。近所の人にも気持ち悪がられるかもしらん。

 もうひとつ問題になってくるのは畦草刈り。この辺りはコンクリート畦が多いんやけど、そうじゃないところもある。そういうところは草を刈らないかんのやけど、地域や人によってその流儀が変わってくる。わしはクローバーみたいな地をはう草を残して作業や通行の邪魔になる背の高い草を抑えるのに利用する手段を取る。これやと背の低い草は残るけど草はコントロールされて草を刈る頻度は少なくて済む。でも少数派。みんなほんまきちんとしとるんで。刈払機を擦り付けるように低く刈って、刈った草が乾いたら燃やして灰にしてしまう。わしなんかは刈った草をそこに敷いとけば下から草が生えんでええやないかと思ってたんやけど、焼くのにもちゃんと理屈があって、刈草をそのまま置いといて畦を肥やしてしもうたらミミズが増えてそんでそれを食うモグラが来て畦に穴を開けてしまうとのことやが。なるほどなあ。じゃあ、畑なら穴開けてもろて排水をよくしようかなと考えるのがわしのようななまけもの。どの手段にもメリット・デメリットがある。

 とにかく利害関係者には丁寧に説明。できれば草や緑肥を利用する技術、草をコントロールする技術をもっと広く知ってもらいたい。楽できるところは楽したいやん。草を利用して農薬を使わんと虫をこらっしゃげれたら財布も気持ちもうれしいやん。面子とかなしで。そのための説明は惜しまない。口頭での説明はその都度どんどん行なっていくとして、今もうヘアリーベッチがワッサーってなってるところには看板を立てることにしたが。





 看板はわしがアウトラインをパソコンで作って、挿絵やルビを嫁さんにしてもろたん。このおつくんっていうのがわしなんやけど似てるかなあ。わしこんなにおっさんかなあ。いやおっさんやけど。なんでおつくんかというと、嫁さんがわしを呼ぶときに、おっちゃん→ちゃんおつ→おつくんになったんやが。わしが一人で作ると硬くなるかあほみたいになるかどちらかやきんな。嫁さんのイラストで地域の子供たちにも興味を持ってもらったらこんなに嬉しいことはない。

 かくのごとくこのブログも含めたいろいろな手段でコミュニケーションをはかっていこうとしよるんやけど、どうしても対話ができん奴らがおる。こいつらやがー。



 播いたばかりのソルゴーの種を食いに来た鳩!ドバト!トラクターのロータリーでの覆土ではどうしても地表に出る種もあるきんな。こらくそ食うなあって手を叩いて追い払うんやけど、すぐもんてくる。せめてここで糞してから帰ってつかよ。

   


Posted by kazuzo at 21:29Comments(0)草や虫や小動物

2011年07月14日

キシュウスズメノヒエはなにかと興味深い雑草やが。

 キシュウスズメノヒエという水田雑草がおる。草やのにおるとはこれいかにやけど、ついつい虫や小動物のように「おる」と表現したくなる草なんやが。

 ヒエという名前の通りイネ科雑草なんやけど、まずこいつは横に伸びて行く。そして節の部分で地面に根を降ろし、そこから葉茎を上に伸ばす。その間にも横にアメーバのごとくずんずん伸びていく。これくらいやったらまだかわいい。↓



 こいつはさらにゾンビみたいなやつで、横に伸びていった草を全部取り除いてしまわないと、どこかひとつでも節が残っていればそこから再生してしまうんや。なんという生命力。竹に苦労する山の百姓の気持ちがちょっとだけ分かるが。そういえば竹もイネ科なんやで。最近、『イネ科ハンドブック』という本を読んだことは書評ブログのほうに書いたよ(参照)。

 ガシガシむしってもむしってもこうなってしまえばどうしようもない。↓


 コンクリ畦を挟んで東側はいちじく畑なんやけど、そこから畦を渡って田んぼに侵入しとるんやが。こいつは水辺が好きなんやけど、どうやってコンクリ畦の向こうに水があることが分かったんやろうな。おもっしょいな。田んぼに侵入したものの、もう稲が大きくなっとるきん、稲の間までは入ってこない。稲のアレロパシーが効いとるのか、わざわざ日陰には入っていかないっていうことかは知らねども。伸びてきて穂が出る前に刈払機で刈って、どうせ跡には野菜を作るきん地上部はトラクターで粉々に破壊することにする。
  


Posted by kazuzo at 19:31Comments(0)草や虫や小動物

2009年11月20日

ミナミアオカメムシがしつこい。

 昔、猛毒っていうそれはそれはひどいバンドがいてまして、その曲の中に「ぼけ老人」というのがあったんやが。出だしはこんなんやが。
 まだ生きていたのか~ 森〇~ 人形の森〇~

 な、ひどいやろ。謹んでご冥福をお祈りいたします。

 ところで、ミナミアオカメムシがまだしつこくまだ畑におる。ブロッコリーの葉の上に、白菜の葉の間に、菊の蕾に、イチジクの実に。それこそどこにでもおる。

 

菊にくっついて作業場にやってきたミナミアオカメムシ成虫。

 こいつはわりあいなんにでもその細長い口を突っ込んで汁を吸うんやけど、稲穂にくっついて米の汁を吸うのが一番困る。こいつに吸われた米は斑点米という扱いになって、それが一定比率(ほんのちょっとこばなんやけど)以上入っていると米の等級が下がるという困った話なんや。

 今年は稲の時期にはそんなこと言いよらんかったんやけど、秋になってなんだか大発生しとる。暖かいのもあって、冬眠もせんとまだ畑をうろちょろしとるわけや。稲以外はうちでは実害はないんやけど、作業場に来られると臭いきん、はよ枯れ葉の下で冬眠して欲しいものやが。間違ってうっかり踏むつもりでおるけど。
  


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2009年11月05日

セイタカアワダチソウの憂鬱



 うちの第三ブロッコリー畑から眺めた隣の耕作放棄地の様子。奥のほうだけセイタカアワダチソウが見事に群生しとる。

 耕作放棄地言うても物知り顔のブロガーや学者先生がお好きな転用期待地なんかと違うで。ひとっつも道路に面してなくてトラクターでさえ入るのに難儀する(元)畑や。

 なんでセイタカアワダチソウが奥のほうだけなのかというと、おじいさんが毎日のようにせっせと鎌で草刈してるけど、草の生えるスピードのほうが速いので奥のほうまで手が回らずに、こうなってしまったんや。

 セイタカアワダチソウはだいたいほったらかしにして5年くらいするとその(元)畑の植物相を支配する。セイタカアワダチソウには強力なアレロパシー効果があって、他の草を駆逐してしまうんや。そしてそれからまた何年かするとセイタカアワダチソウ自体もアレロパシーにやられて、遂にはごっつい木みたいなのしか生えなくなる。こうなると畑に戻すのは非常に難儀や。

 セイタカアワダチソウは外来植物やけど、人間が切り開いた畑を森に戻す自然の作用を早めとるわけや。そやきん、百姓にしてみれば非常に忌まわしい草やが。種が飛んでくるのか、時々果樹園の中に生えていることがある。ナギナタガヤの絨毯の下からでも平気な顔をして出てくるそれを、わしは憎しみのような悲しみのような畏怖のようなよく分からん感情でもって刈り払う。

 外来生物やきん全部悪いという二分法は採らないけど、セイタカアワダチソウは、恐い。  


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2009年11月01日

カブラハバチとアオムシコマユバチ

 朝、おかんが「ちょっと来てつかー」というので門の外に出てみると塀の下のほうに黒いイモムシがいっぱい這いよる。





 これなんぞ、見たことないがー。というわけでケムシ・イモムシのことならおまかせの幼虫図鑑で調べたら一発で分かった。なんとて灰野敬二ばりに真っ黒で特徴的やったきんな。カブラハバチの幼虫であった。

 名前の通り、アブラナ科の植物を食べるハチの幼虫なんやって。アブラナ科を食べる虫にはカブラ~とかダイコン~ムシとか名前が付くことが多いよね。それにしてもなんでこんなところにおるんやろう。この塀の南側にはブロッコリー畑、東側には小松菜やチンゲン菜、ルッコラの畑があるきん、アブラナ科には事欠かないけれども、それらの野菜についてるのは見たことがないんや。アブラナ科の雑草におったんやろうか。でもなんでこんなところに移動しとるのやろう。大きさから推定するにだいぶ老齢幼虫やと思うんやけど、カブラハバチは土中で繭になるはずや。ときどきケムシ・イモムシは大量に変なところにわいたりゾロゾロというかウネウネ移動しよることがあるよね。

 塀の上のほうには哀れげに寄生蜂にやられたアオムシがようけおった。ざまあみろ。



 アオムシはこういうところに移動して蛹になるんことが多いんやけど、若いうちにアオムシコマユバチによって体内に卵を産み付けられたアオムシは蛹になる前に、体内を食べていた幼虫に腹を食い破られてご臨終となるんやが。黄色いのは幼虫が繭になったぶんな。

 そんなわけでアオムシコマユバチはわしら百姓の味方や。敵の敵は味方やきんな。農薬散布の際には味方を攻撃しないように有機リン系や合成ピレスロイドなんかの皆殺し系薬剤は避けてケムシ・イモムシしか攻撃しない脱皮阻害剤やBT剤を使う。そうすれば味方も精出してアオムシをやっつけてくれるきん、薬剤散布の回数も減るんや。そしたらコストも下げられる。そう考えたらなんだかアオムシコマユバチの繭が小判のように見えてきたがーげへへ。  


Posted by kazuzo at 10:32Comments(5)草や虫や小動物

2009年07月12日

ザリガニ!ザリガニ!ザリガニ!

 田んぼに水をしかけて様子を見にいったときのことや。用水路に堰をする板の周りにザリガニがようけおるでないかー。





 2,3日前から、鳥に食われてハサミだけになったのはちょこちょこ見てたんやけど、生きたザリガニを見たのは何年ぶりやろ。しかもこんなにいっぱいのザリガニを見たのはそれこそバブル期以来やがー。いや、バブル関係ないけど。20年ぶりと言いたかっただけやが。

 この用水路は水位が安定していない上に流れが速いきん昔からそんなに見かけることはなかったんやけど、どっかから流れてきたんやろうか。どしたんやろな。

 頭の固い人には忌み嫌われるアメリカザリガニやけど、わしの世代にとってはザリガニは子供時代の原風景やきんな。ちょっと嬉しかったが。ザリガニの赤い色がすごく鮮やかに見えた。  
タグ :ザリガニ


Posted by kazuzo at 20:38Comments(2)草や虫や小動物

2009年06月30日

雨上がりの夜空に。

 今日はほぼ一日雨で仕事にならなんだがー(こういう台詞が吐ける日を待っていた!)。仕事らしい仕事は朝の収穫くらい。雨がいっぱい降ると菊やブルーベリーに水やりしなくていいし、田んぼに水も入れなくていい。らくちんや。朝のオクラ収穫ではびしょ濡れになったけどな。この雨で香川用水も満濃池も精出して水流してくれるようになるとええんやけど。

 暇やきん、資材屋さんを周った。最初に行った農材屋さんは年中無休なのに休みやった。そういえば今日は6月30日。肥料年度の最終日やったんや。肥料の値段入れ替えとかしとるのかな。明日からの新肥料年度には肥料はだいぶ安くなるそう。いうても去年度が高すぎたんやけどな。こちらのほうも一段落や。梱包資材屋さんでいちじくとブルーベリーのパック、それとオクラ用の袋などを買って帰る。

 夕方雨が止んだきん、もう熟し始めている夏果専用いちじくのキングの木にネットをかけた。熟したら片っ端から鳥に食われるきんな。

 その帰り道、エダマメの葉の上でブイブイがいたしているのを見つけた。


 初めて見たけど霊長類がいたすときの比較的ポピュラーな体位とよく似た格好でいたすのですね。仕事中に見つけるとたいがい腹立つもんやけど、なんとて雨上がりの夜空やきんなあ、バッテリーはビンビンやろしなあ。撮影だけで許したったがー。

   

Posted by kazuzo at 20:10Comments(2)草や虫や小動物