2013年06月28日
進撃の農民-オクラ区攻防戦2-
これの続き。
もうな、カメムシ、食ってまおうで。農薬で駆除するためには他の虫を巻き添えにするほかなく、IPM的な管理にも大きな労力を要するとなるとやな、せっかく投入した労力を直接的に栄養なりお金に変える方法を考えるのも手かなと思うんやが。インセンティブがあれば駆除も進む。猪や鹿なんかの有害獣が増えたのはハンターがおらんようになってしもうたきんや。しかしジビエが注目されて駆除したやつの肉がええ値段で買うてもらえるとなるとじゃあ獲ろうかということになる。それを虫でもやってみよう。キャッチコピーは「とても身近なみんなのジビエ」でどうや。
日本ではイナゴや蜂の子を食べる文化はあってもカメムシを食べる文化はない。しかし東南アジアとか南アフリカではわりと食う。日本では食べ応えがあるような大きなカメムシは少ないけど、ミナミアオカメムシはそのひとつと言えるんとちゃうかな。ではミナミアオカメムシって食えるんやろか。カメムシっていうてもほんまにようけ種類があるきんな。そういうときには三橋淳さんの『世界昆虫食大全』を参照すべきやが。
今手元にないきんページとか覚えてないけど、ミナミアオカメムシは中国で薬用として用いられたという記述がある(14/7/5追記:学名でちゃんとすみずみまで調べたら東南アジア、アフリカ、メキシコと世界中で食べられとった。わーい)。よし、食えそうやが。虫にも寄生虫持っとったりあるいは虫自体が毒やアレルゲンを持ってたりすることがあるきんな。歴史や文化を参照することが大事やが。これはなにも虫に限ったことでなくて、野菜も果物も肉も、人類の歴史の中で選択されてきたものやきんな。
商品化に向けてまずはわしが食ってみる。
オクラ区で獲物を物色する180cm級農民(端数四捨五入)。
おった。
交尾しよる。いっつもたいてい交尾しよる。捕食者の前でもしよる。なんたる家畜の安寧!!虚偽の繁栄!!ほんでこいつら、交尾しよるんを捕まえようとしたら、くっついたまま逃げるんで。そやきんすぐ捕まる。離れてバラバラに逃げたらええのに。
その点こいつは違う。
ホソハリカメムシはすごく敏捷に飛んで逃げよるんや。立体機動っていうんやろか。そんな感じ。こいつもオクラやコメの汁を吸うワルソやけど、ミナミアオカメムシほどの被害は出さんし、細くて食べ応えがなさそうやきんスルーする。
余談やけど、ホソハリカメムシによく似た名前のホソヘリカメムシっていうんがおって、こいつについて最近すごいことが分かったんやが。虫が農薬に抵抗性をつけるのは一般に農薬から生き残ったもんどうしが交配してまた交配してと、遺伝的に強くなっていくもんやけど、こいつはなんと農薬を分解する細菌を体内に共生させて農薬に強くなってしもうた(参照)。びっくりやが…。
巨人はその場でむしゃむしゃやるけど農民はそんなことしない。全裸でもないし。おうちに持って帰る。
囚われた屈辱?まあ諦めてつかよ。さっきも書いた寄生虫などの恐れもあるきん、虫は火を通して食べる。これは世界中たいていそういうふうな文化になっとる。
専用調理器具。周囲の理解がぜんぜん得られてないきんな…。
-----------------------ここから閲覧注意。虫が苦手な人は注意してつかな----------------------------------------
カメムシは例のなんとも言えん青臭いにほひがあるなあ。そのままではちょっと気になるきん、臭いの汁を抜いてやる。熱湯につけるとびっくりして汁を出してしまうんや。
それを水洗いして油で炒める。バチバチ弾けて油が飛んで熱いでないかー!水切りもっとちゃんとせないかん。迸る衝動でなしにIHクッキングヒーターにその身を灼きながらでけあがり。
うーんちょっと焼き過ぎた。炒めよったらまだ残る青臭い臭いがだんだんタンパク質が焼ける臭いに変わっていくんやけど、その塩梅が調理の最大のポイントちゃうやろか。これでも干しエビみたいで香ばしくておいしいんやけど、カメムシらしさがない。ほのかに臭いが残るくらいが売りになるんと違うやろうか。
家族に試食を求めたんやけど、誰も食べてくれんで全部わしが美味しくいただきました。これをお金に変えるには料理食品加工の心得のある協力者が必要なんやけど、どうしよう…。誰かおらんかえ。虫で六次産業や!!レッツビギンや!!
まあいいや。みんなもミナミアオカメムシ食おうで。わりあい美味しいで。特に斑点米や農薬の問題について関心のあるみなさん、どうですか?無農薬や有機農法の人の新たな収入源にもならんかな。時代はテデトールからヤイテタベールやで。
もうな、カメムシ、食ってまおうで。農薬で駆除するためには他の虫を巻き添えにするほかなく、IPM的な管理にも大きな労力を要するとなるとやな、せっかく投入した労力を直接的に栄養なりお金に変える方法を考えるのも手かなと思うんやが。インセンティブがあれば駆除も進む。猪や鹿なんかの有害獣が増えたのはハンターがおらんようになってしもうたきんや。しかしジビエが注目されて駆除したやつの肉がええ値段で買うてもらえるとなるとじゃあ獲ろうかということになる。それを虫でもやってみよう。キャッチコピーは「とても身近なみんなのジビエ」でどうや。
日本ではイナゴや蜂の子を食べる文化はあってもカメムシを食べる文化はない。しかし東南アジアとか南アフリカではわりと食う。日本では食べ応えがあるような大きなカメムシは少ないけど、ミナミアオカメムシはそのひとつと言えるんとちゃうかな。ではミナミアオカメムシって食えるんやろか。カメムシっていうてもほんまにようけ種類があるきんな。そういうときには三橋淳さんの『世界昆虫食大全』を参照すべきやが。
今手元にないきんページとか覚えてないけど、ミナミアオカメムシは中国で薬用として用いられたという記述がある(14/7/5追記:学名でちゃんとすみずみまで調べたら東南アジア、アフリカ、メキシコと世界中で食べられとった。わーい)。よし、食えそうやが。虫にも寄生虫持っとったりあるいは虫自体が毒やアレルゲンを持ってたりすることがあるきんな。歴史や文化を参照することが大事やが。これはなにも虫に限ったことでなくて、野菜も果物も肉も、人類の歴史の中で選択されてきたものやきんな。
商品化に向けてまずはわしが食ってみる。
オクラ区で獲物を物色する180cm級農民(端数四捨五入)。
おった。
交尾しよる。いっつもたいてい交尾しよる。捕食者の前でもしよる。なんたる家畜の安寧!!虚偽の繁栄!!ほんでこいつら、交尾しよるんを捕まえようとしたら、くっついたまま逃げるんで。そやきんすぐ捕まる。離れてバラバラに逃げたらええのに。
その点こいつは違う。
ホソハリカメムシはすごく敏捷に飛んで逃げよるんや。立体機動っていうんやろか。そんな感じ。こいつもオクラやコメの汁を吸うワルソやけど、ミナミアオカメムシほどの被害は出さんし、細くて食べ応えがなさそうやきんスルーする。
余談やけど、ホソハリカメムシによく似た名前のホソヘリカメムシっていうんがおって、こいつについて最近すごいことが分かったんやが。虫が農薬に抵抗性をつけるのは一般に農薬から生き残ったもんどうしが交配してまた交配してと、遺伝的に強くなっていくもんやけど、こいつはなんと農薬を分解する細菌を体内に共生させて農薬に強くなってしもうた(参照)。びっくりやが…。
巨人はその場でむしゃむしゃやるけど農民はそんなことしない。全裸でもないし。おうちに持って帰る。
囚われた屈辱?まあ諦めてつかよ。さっきも書いた寄生虫などの恐れもあるきん、虫は火を通して食べる。これは世界中たいていそういうふうな文化になっとる。
専用調理器具。周囲の理解がぜんぜん得られてないきんな…。
-----------------------ここから閲覧注意。虫が苦手な人は注意してつかな----------------------------------------
カメムシは例のなんとも言えん青臭いにほひがあるなあ。そのままではちょっと気になるきん、臭いの汁を抜いてやる。熱湯につけるとびっくりして汁を出してしまうんや。
それを水洗いして油で炒める。バチバチ弾けて油が飛んで熱いでないかー!水切りもっとちゃんとせないかん。迸る衝動でなしにIHクッキングヒーターにその身を灼きながらでけあがり。
うーんちょっと焼き過ぎた。炒めよったらまだ残る青臭い臭いがだんだんタンパク質が焼ける臭いに変わっていくんやけど、その塩梅が調理の最大のポイントちゃうやろか。これでも干しエビみたいで香ばしくておいしいんやけど、カメムシらしさがない。ほのかに臭いが残るくらいが売りになるんと違うやろうか。
家族に試食を求めたんやけど、誰も食べてくれんで全部わしが美味しくいただきました。これをお金に変えるには料理食品加工の心得のある協力者が必要なんやけど、どうしよう…。誰かおらんかえ。虫で六次産業や!!レッツビギンや!!
まあいいや。みんなもミナミアオカメムシ食おうで。わりあい美味しいで。特に斑点米や農薬の問題について関心のあるみなさん、どうですか?無農薬や有機農法の人の新たな収入源にもならんかな。時代はテデトールからヤイテタベールやで。
2013年06月27日
進撃の農民-オクラ区攻防戦1-
オクラの収穫が始まったんやが。今年は去年に続いての5月の旱魃でがいにあずったが。大きくならんのはまあ別にええんやけど、乾燥するとアブラムシがわく。それをマルチ大麦やシルバーテープでしのぎながら、雨で窒素がガッツリ入るときに備えて定期的に亜リン酸を葉面散布。ようけわいたところにはこの手の気門封鎖剤で支援。なんとか凌ぎ切った。
この時期アブラムシを防除するんには普通、オルトラン水和剤とモスピラン水溶剤を散布すればまあまあ楽ちんなんやけど、今年は使わなんだ。なんでか。同じ畑で菊を育てとるんやけど、菊にがいに悪さをするアザミウマを食ってくれるヒメハナカメムシというカメムシがオクラにようけわいてくれるんや。オクラでヒメハナカメムシを増やして菊に派遣しようというわけやが。ところがオルトランみたいな有機リン剤やモスピランみたいなネオニコチノイド剤を散布するとカメムシ死んでまう。というわけでそれらの殺虫剤は温存したんや。…でも今年は乾燥が激しくて十数年ぶりのアザミウマ当たり年、菊への農薬散布の油断もあって結局菊はがいにやられてしもうたけどな。
そんでオクラの収穫に入ったんやけど、こらどいや。ミナミアオカメムシがようけおる。佃煮にするほどおる。こいつはよいこのヒメハナちゃんと違ってオクラの実に口を突き立てて汁を吸い、売り物にならんようにするワルソ。毎年湧くんやけど、今年は5月のイネ科緑肥にもチラホラ見かけたこともあって多いかもと思っとった。実が生る前のアブラムシ防除にカメムシも同時に殺す剤を使わなんだきんよけいにわいたんかもしらんなあ。
ふむう、どうしようか。こいつは今はオクラにおるけど、8月になって早いぶんのコシヒカリの穂が出たらそっちに移動する。そんで、今度はコメの汁を吸うていわゆる斑点米を作るんや。斑点米がでけると、味は変わらんのやけどコメの等級が落ちて農家が困る。香川県は高温障害もあって、近年はずっとコメの一等米比率は底辺を彷徨いよる。そのために高温に強い「おいでまい」っていういまいち内向きでパッとせん名前の新品種を開発したんやな。しかし品種改良でカメムシ害を防ぐことはできん。じゃあどうしようかというわけで農薬を散布するんやが。カメムシに効くのは有機リン剤とか合成ピレスロイド剤とかネオニコチノイド剤とか。
最近はネオニコチノイド剤を使うことが多いな。古い有機リン剤とか合成ピレスロイド剤は虫が抵抗性を持ってしまった場合があるきんな。でもしかし、稲に対するネオニコチノイド剤の散布でミツバチがようけ死んだという話が出た。EUなんかでもネオニコチノイド剤によるかもしれないミツバチの減少が取りざたされたりたりして、とうとう最近、3つのネオニコチノイド剤をとりあえず2年間やめてみようということになったんな。古い有機リン剤や合成ピレスロイド剤もミツバチ殺すんで。こういう古い農薬は選択性というてターゲットだけを殺す性質が低いきんな。禁止された三剤も元々ミツバチに対する急性毒性が強い剤やった。ネオニコチノイドいうてもこの三剤の何百倍もミツバチに対して毒性が低いやつもある。さっきいうたモスピランとかバリアードとか。問題は急性毒性以上に、ミツバチの社会を破壊する、いわゆる蜂群崩壊症候群を起こす作用のあるなしで、最近はそういうことを確かめようと設計された実験もあるんやけど、うーん、どうなんやろなあ。わかんない。EUの決定も意見が大きく割れたようやしなあ。有機リンや合ピレ剤あるいはバリアードみたいな元々ミツバチに対する急性毒性の低いネオニコチノイド剤を対照区に設定した実験があれば有意義やと思うんやけど。
イモムシとかアブラムシとかハダニに対してはハチを殺さない殺虫剤がいくつもあるんやけど、残念ながら今のところカメムシにはない。こんな状況を憂う人の中にはコメの検査精度を見直してはどうかと提案してくれる人もおる(参照)。この点に関してはわしも賛成。農家の農薬コストや労力も減るしな。他にカメムシを防ぐためには畦や水田の周りの草をうまいこと管理するとか。でも、こういうの言うは安しで、大規模にやってる人は草刈りの労力が大変やし、どんどん弱くなる農村のコミュニティ全体で取り組まないといけないことやし、イネ科雑草の生えてる耕作放棄地があればもうそれでゴジャハゲ。オクラみたいにカメムシを集める作物を作るなというのもアレやしなあ。そこでわしは考えた。
お腹すいたきんこれくらいにして明日か明後日に続く。
この時期アブラムシを防除するんには普通、オルトラン水和剤とモスピラン水溶剤を散布すればまあまあ楽ちんなんやけど、今年は使わなんだ。なんでか。同じ畑で菊を育てとるんやけど、菊にがいに悪さをするアザミウマを食ってくれるヒメハナカメムシというカメムシがオクラにようけわいてくれるんや。オクラでヒメハナカメムシを増やして菊に派遣しようというわけやが。ところがオルトランみたいな有機リン剤やモスピランみたいなネオニコチノイド剤を散布するとカメムシ死んでまう。というわけでそれらの殺虫剤は温存したんや。…でも今年は乾燥が激しくて十数年ぶりのアザミウマ当たり年、菊への農薬散布の油断もあって結局菊はがいにやられてしもうたけどな。
そんでオクラの収穫に入ったんやけど、こらどいや。ミナミアオカメムシがようけおる。佃煮にするほどおる。こいつはよいこのヒメハナちゃんと違ってオクラの実に口を突き立てて汁を吸い、売り物にならんようにするワルソ。毎年湧くんやけど、今年は5月のイネ科緑肥にもチラホラ見かけたこともあって多いかもと思っとった。実が生る前のアブラムシ防除にカメムシも同時に殺す剤を使わなんだきんよけいにわいたんかもしらんなあ。
ふむう、どうしようか。こいつは今はオクラにおるけど、8月になって早いぶんのコシヒカリの穂が出たらそっちに移動する。そんで、今度はコメの汁を吸うていわゆる斑点米を作るんや。斑点米がでけると、味は変わらんのやけどコメの等級が落ちて農家が困る。香川県は高温障害もあって、近年はずっとコメの一等米比率は底辺を彷徨いよる。そのために高温に強い「おいでまい」っていういまいち内向きでパッとせん名前の新品種を開発したんやな。しかし品種改良でカメムシ害を防ぐことはできん。じゃあどうしようかというわけで農薬を散布するんやが。カメムシに効くのは有機リン剤とか合成ピレスロイド剤とかネオニコチノイド剤とか。
最近はネオニコチノイド剤を使うことが多いな。古い有機リン剤とか合成ピレスロイド剤は虫が抵抗性を持ってしまった場合があるきんな。でもしかし、稲に対するネオニコチノイド剤の散布でミツバチがようけ死んだという話が出た。EUなんかでもネオニコチノイド剤によるかもしれないミツバチの減少が取りざたされたりたりして、とうとう最近、3つのネオニコチノイド剤をとりあえず2年間やめてみようということになったんな。古い有機リン剤や合成ピレスロイド剤もミツバチ殺すんで。こういう古い農薬は選択性というてターゲットだけを殺す性質が低いきんな。禁止された三剤も元々ミツバチに対する急性毒性が強い剤やった。ネオニコチノイドいうてもこの三剤の何百倍もミツバチに対して毒性が低いやつもある。さっきいうたモスピランとかバリアードとか。問題は急性毒性以上に、ミツバチの社会を破壊する、いわゆる蜂群崩壊症候群を起こす作用のあるなしで、最近はそういうことを確かめようと設計された実験もあるんやけど、うーん、どうなんやろなあ。わかんない。EUの決定も意見が大きく割れたようやしなあ。有機リンや合ピレ剤あるいはバリアードみたいな元々ミツバチに対する急性毒性の低いネオニコチノイド剤を対照区に設定した実験があれば有意義やと思うんやけど。
イモムシとかアブラムシとかハダニに対してはハチを殺さない殺虫剤がいくつもあるんやけど、残念ながら今のところカメムシにはない。こんな状況を憂う人の中にはコメの検査精度を見直してはどうかと提案してくれる人もおる(参照)。この点に関してはわしも賛成。農家の農薬コストや労力も減るしな。他にカメムシを防ぐためには畦や水田の周りの草をうまいこと管理するとか。でも、こういうの言うは安しで、大規模にやってる人は草刈りの労力が大変やし、どんどん弱くなる農村のコミュニティ全体で取り組まないといけないことやし、イネ科雑草の生えてる耕作放棄地があればもうそれでゴジャハゲ。オクラみたいにカメムシを集める作物を作るなというのもアレやしなあ。そこでわしは考えた。
お腹すいたきんこれくらいにして明日か明後日に続く。
2013年06月21日
田植えが終わったら本を読もう!まんのう町図書館にある農業のすごい本!
ア~メ~マ~(ク)!
週間天気予報に雨マークがようけ並ぶようになって、わーいと思ったけど、丸々二日間降り続けられたらもうお腹いっぱいやなあ。みんなんとこは水害とかなかったかいな。うちんとこはほぼ恵の雨やったなあ。コーンが少し傾いたくらい。
ああ、このべったり倒れたんはヘイオーツっていうブロッコリー前作の緑肥。一番早く植えるぶんのブロッコリーには早く鋤き込めて早く分解するこれがソルゴーより都合がええんや。穂が出たところでそろそろ鋤きこまないかんなあと思いよったきん、引き倒す手間が省けてよかったがー。
ところでなんやけど、まんのう町のみんな!!6月1日にでけたまんのう町立図書館にはもう行った?特にお百姓のみんな!!図書館は集荷場から車で2分やで。10時までの出荷を片付けてから図書館オープンと同時に入ってしばしのんびりと本を選ぶのはどうかのう。どっかの図書館みたいにコーヒー牛乳は売ってくれんけど、ロビーに自販機はあるよ。
農業の本も結構あるよ!!辞典系から家庭菜園のムックまで。まだオープンしてすぐやきん、棚に隙間が多いけど、農業の棚はわりと最初から充実度が高いのと違うやろうか。ありがたいなあ。農業はまんのう町の基幹産業やきんな。そんな中からわしが選んだ農業の役立つ本、すごい本をちょっと紹介してみるよ。ん?ブログで図書館の特集棚を作るって新しくない?そうでもないか。書影が欲しかったきん、Amazonのアソシエイト・プログラムを利用しています。こらえてつかな。
基礎から勉強になるよ!
以前「露地野菜農家のサバイバルキット」という記事でも紹介した本のうち、4冊が入っているよ。
特にこれからお勧めなのは最後の土壌診断の本。聞くところによると、普○センターに、土壌診断がしたくてしたくて、日夜うわごとのように「土壌診断…」とつぶやいとる普及員さんがおるらしい。ぜひ土壌診断してもらおうで!でも精出して土壌診断してもらっても、その読み方が分からんかったら、肥料の削減や病害の予防に繋げられんでないか。特にまんのう町の特産のブロッコリーの場合、pHが6以下とか低い数値だとすぐに流行の根こぶ病にやられてしまうよ。
最新の技術や研究を知ろうで!
あんなにこんまい国土なのに世界第二位の農業輸出国がオランダやが。それを支えるのがトマトやパプリカの施設栽培。ITを駆使した栽培制御が注目されがちやけど、まず作物の生理をバッチリわかって最適な環境を想定できんとIT意味ないがな。その辺りの凄みが分かる。
この前も未認可のGM小麦がアメリカでおろかばえしとってびっくりとか、なにかと賑やかな遺伝子組換え技術。今年に入ってTPP絡みで脅し上げる系の本が相次いで出とるけど、こちらの2冊が基礎や問題点を分かりやすく公平に説明しとると思う。上の本は、有機農業指導者とGM研究者の悩みが日常会話なども交えて交互に語られるおもっしょい本。みんな自分のやり方が至高などとは思ってなくて、悩みながらやっりょるんよ。なにかを悪者にして盛り上がっとる人達以外は。健康リスクが気になるという人は下の本がお勧め。GMOは日本の百姓にはしばらく縁のない技術やろうけど、知っとって損はないよ。
バイオテクノロジーばかりが最近の研究でなくて、実は既存の植物の生理だって分かってないことがまだまだある。大原則としてリービッヒの無機栄養説があるのはそうなんやけど、あれ、こいつ有機物(アミノ酸とか)を吸いよんちゃうんという話は最近になって結構出てきた。直接栽培技術に応用できるかどうかはともかく、謎解き的な面白さがあるよ。
まんのう町の特産野菜のつくり方を勉強しようで!
まんのう町立図書館がでける前はもっぱら飯山図書館に行っきょったんや。飯山図書館も田んぼの真ん中で農業の本が割りとようけある。そんな中ですごいなーと思ったんがな、一冊9000円もするこれ↓を2冊複本しとるんやが。
飯山は県内随一の桃の産地やな。地域の働く人が仕事の勉強できるようにしてくれとんな。ありがたいなあ。…という話を実は図書館開館前に、開館準備に奔走してくれた方や今の館長さんにした。そしたらかどうかしらんけど、まんのう町の二大特産野菜の最新の技術書を、二大農業技術書出版社のぶん両方とも揃えてくれた!ありがたいなあほんまになあ。園芸大百科は内容が古くなってるものが多いきん、こっちのほうがええなあ。そして未来のお百姓のためにも。↓
これからの農村とかコミュニティどうしような。
景気が回復して、他所の先進国並にちゃんと経済成長して、地方にも再分配がちゃんとされたらそれにこしたことはないんやけど、どうしても山間部は人口が減って高齢化もしてくるし、集落が無くなってしまう、あるいはものすごく不便なことになってお年寄りが困ってしまったりもする。またそんな山村が実は下流域と支えあっていたり、貴重な伝統文化を持っていたりもする。そんな山村をどうしていこう。限られた人的、経済的リソースの中で、なにをまず一番に守ってそのためには具体的にどうすべか。タイトルは過激やけど、そういった様々な過疎地の論点を網羅し、たたき台として非常に優れとるのが最初の本やが。研究会のサイトも充実。ちなみにこの本、香川県内の図書館ではまんのう町立図書館にしか置いてない。県立にもない。
下の本。詳しくは以前ようけ書いたんやけど、分断されたコミュニティをどう回復するか、ちょっとしたことで相互不信になりがちな今の社会でどのようにみんな違った立場でいながら強いコミュニティを作って行くかということのヒントがようけ詰まっとる。
まんのう町でも北部のほうは最近、農村というより郊外っぽくなっりょるよな。直売所もわりと流行っとる。そんな中で伊方がドンして西風が吹いたらどうしよか。わしはこの2年間、ついついそういうことを考えることが多かったよ。福島の農業者、研究者の血の滲むような努力の結果、土壌がセシウムの基準値以内なら基本的には、ゼオライトにセシウムを吸着させて、なおかつセシウムと挙動がよく似たカリウムをたくさん施肥すればコメや野菜にはセシウムはほぼ移行しないことが分かった。じゃあ福島第一原発からはほとんど出なかったストロンチウムがチェルノブイリ事故みたいにがいに出たらどないしよか。ストロンチウムはカルシウムと挙動が似とるきん、カルシウム資材をがっつり入れてストロンチウムを吸わせないようにする。よっしゃ、ばっちり。数値もでえへん。でも買ってくれない。買い叩かれる。ときには人殺しみたいに言われる。ギスギスする…。まあそんな事態は大げさにしても、みんな違ってみんなそれなりに仲良くボチボチ暮らしたいやん。そのためには落とし所を見つけないといかん。この本は特に直売所で頑張る農家や有機や自然なんとかの農家にぜひ読んで欲しいんや。原発事故で東日本のそういった農家のみんなはほんと困った。せめてそれだけでも西日本の農家は知っとって欲しい。
他にもようけあるし、なかなか買うには高い病害虫の辞典なんかもあるけど、これくらいにしとくわ~。腹減ったしな。これ全部まんのう町立図書館にあるきん、精出して借りて読もうで!図書館は使ってなんぼやで~。7月になったら県立図書館のカード持ってたら他所の市町の人も借りれるようになるきんな。
そんでなんやけど、図書館でこんな農業の本も使いつつ、百姓や家庭菜園愛好家の経験知を交えつつ、勉強会と言ったら大げさやけど、畑の大人のおしゃべり会をやろうと思いよるんやけど、参加したい人おるかなあ。誰が講師っていうわけでもなく、まあわしがダンドリストみたいな感じで。対象は慣行、有機、自然とか技術や流通を問わずお百姓、ただしお花畑に野菜ができるとは限りません。あと、知的好奇心を持って家庭菜園を楽しみたい方。新規就農者、いつかは問わねども新規就農希望者。てな感じ。もちろん町外からも大歓迎。来月からでもやりたいなー。もうちょっと詰めたら告知するわなー。
2013年06月08日
かんばつ!!
雨が降らんのやがー。かわいらしげにしてもかんばつはかんばつ。漢字で書くと旱魃。わしなんかはこの二文字をおどろおどろしく感じるんやけど、みんなはどうやろか。ところでロゴマークにビックリマークが2つついているのにお気づきでしょうか。カンのいい紳士の方は分かりますね。二期ということです。そう、去年の今頃もひどい旱魃に悩まされたんな。そんときの愚痴は去年の5月半ばから6月半ばにかけての記事を見てもらえたらと思うんや。今年はちょっと違ったことを書こうかなと。
5月から6月にかけて雨が降らんとまず困るのは夏に向けて作っりょる畑作物の土壌乾燥やな。それと田植えが心配。来週はちょっと曇りや雨マークがついとるきん、なんとか本格的田植えシーズンまでに雨が間に合うとええな。ちなみにうちはもう先週に田植えしてしもうた。稲の後作に野菜植えるきん、早めにしとかんといかんのや。
ところがこの時期に雨が降らんほうが助かる作物もある。なんやろか。それはこの時期収穫を迎える作物たちやが。さてなんやろか。この辺で代表的なのはなんといっても小麦やはだか麦、ほんでニンニクに玉ねぎ。
麦は世界的に見ても乾燥したところで作られよるやろ。穂が出とる時期に雨がようけ降って日が照らんと困るんが赤かび病。収量が減るだけでなしに、かびが産出する毒が大問題になる。ほんだきん去年今年の麦は出来がええんと違うかな。香川県で作られよるんは讃岐うどん用決戦小麦さぬきの夢2009やはだか麦のイチバンボシ、後、善通寺の現農研機構で育種されたダイシモチムギがこれからの注目株やな。なんとて善通寺ゆかりの弘法大師の名前をいただいた麦やきんな。
玉ねぎのことはよう分からんきんニンニクの話。冬の寒くて風がびゅーびゅー吹いたり雨がじゃーじゃー降ったりした頃にニンニクの中に侵入した春腐病菌が、収穫前のこの時期、雨が多いとがいに悪さをする。今年は冬の天気が厳しかったきん、2月の下旬に早々に春腐病注意報が出とったんやけど、春の乾燥のおかげで持ちこたえた感じ。雨が続くと収穫後の乾燥もまた菌との戦いになるしな。
そんなわけで雨が少ないと作物の病気の菌の悪さが抑えられることが多いんやが。もちろん菌にもいろんなんがおるきん、少雨の乾燥を好むのもおる。一番おなじみなんはうどんこ病かの。あれは乾燥が好きなんや。名前といい性質といい香川県らしいな。県の花みたいに県の菌に指定してはどうやろうか。香川県の菌ウドンコカビ。
一方、菌が働かんで困ったこともある。冬に作っりょった作物を夏の作物を作るために、トラクターで畑に鋤き込むやろ。その際、作物の残渣(ざんさ)の微生物による分解を促すために、畑の状態に応じて石灰を入れてやったり窒素分を入れてやったり微生物資材を入れてやったりする。ところがやな、畑の土がカラカラに乾燥しとると、分解のための菌が精出して働いてくれんのやが。前作が分解せんまま次の作を植えつけてしまうとなにかと悪い影響がでるきんな、困るんやが。
写真は2週間前に収穫を終えたニンニク跡。二回トラクターを入れたけど干からびるだけで分解もしなければ発酵も腐敗もしない。分解していったらニンニク特有の刺激臭がなくなるんやけど、まだ全然ニンニクのかほりがする。ここにキクを植えようと思いよるんやけど困るでないか。
ところで話が変わるけど、どこそこのパンは腐らないとかって言う都市伝説とかそれ以下の話があるよね。で、キケンな保存料ガーと脊髄反射。ちょっと待ってつかよ。ものを腐らせる微生物を抑えるのは添加物だけじゃないよ。まず大事なのは菌の増えない環境やが。特に大事なのは上で書いたような水分や湿度。農業でやって、病気の菌を抑えるための農薬は最後の手段やしな。その前に畑の排水をよくしたり、なるべく菌が増えない、多くの場合は
現代素材探検隊 | Food Watch Japan