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Posted by あしたさぬき.JP at

2012年08月25日

いちじくがボチボチでよる。



 これはさっきやきん夕方撮った写真。朝になるとくぱあとなるよ。
 
 ドーン。手前味噌やけど昨日の夢ハウス一等品はこれやったと思う。



 最近残暑が厳しい年が多くていちじくの熟れ方も以前とはちょっと違うんやけど、週明けくらいに最初の収穫ピークが来そうな感じ。お好きな方は精出して食べてつかよ。一日一日変わる夢ハウスのいちじくの状況はわしのTwitterで毎朝7時半から8時くらいの間にお知らせしているよ。よろしければこちらもどうぞ。

 気候もそうやけど、果樹栽培はほんまに毎年違うきん面白こわい。同じだけ肥料やっても同じもの同じだけ取れるわけではないしな。いろんな要因が多すぎて組み合わせは無限大やが。よく稲の謙虚な篤農家が「まだわし30回しか稲作ったことない」とか言うやろ。稲の場合はまだ田んぼの土がほぼ毎年リセットされるきんええ(稲がたいていの養分吸うてしまうし、水が入ることによっていらんもんが流されたりするしな)。果樹は永年作物やきん、毎年状況が連続的に変わる。樹の成長、剪定、土の中の様子…。それでもいちじくなんて剪定方法が単純なほうやきん、まだ剪定によるリセットがある程度効いてマシやけど、桃、梨、リンゴなんかのバラ科永年果樹は剪定や枝ぶりにものすご気を使う。それが後々何年もの間影響してくるきんな。大変やで。

 土も刻一刻と変化する。うちみたいに草を抑えるためにナギナタガヤを生やしとったら、年々腐植が溜まってくるきんな。肥料の効き方も変わってくる。ええほうかどうかは知らん。だって対照実験なんてしてないもん。さっきも書いたけど要因が多すぎてまともな対照実験なんてでけん。

 そんななかでまれにとんでもない成果が現れたりすることもある。なんとて組み合わせ無限大やきんな。そんなサイコロいっぱい振って出たひとつの目をあたかも宇宙の真理のように吹聴すると、講演で飯が食えるお百姓さんになるわけやが。ええよなあ。あ、本音が出てしもた、てへぺろ。

 それでは果樹栽培の研究者や技術指導者はお役御免かといえばそうでもなくて、なんとかより現場の百姓に役に立つ研究や指導の方法論を模索しようとしている先生もいらっしゃって、今そんな本をボチボチ読んでるとこ。読んでしもたらこっちのほうにまた評を書くな。

 さて、今年うちのいちじくに取り組んだのは、葉面散布。いちじくが熟す時期にようけ必要な養分はなにかというとカリウムとかカルシウムというのは分かっとる。それを土にやってもカルシウムなんかなかなか根から枝の先の実まで行ってくれんし、そもそも香川県みたいに梅雨明け以降に雨が降らんと肥料が吸われん。そこで地上部に直接吸うてもらおうというわけやが。最近使いやすくて比較的安価なカルシウムの葉面散布剤が出たきん、ついでにカリとあとリン酸も効かせてしまおうと考えた。果樹の葉面散布の世界はある意味高級オーディオの世界みたいなところがあるきんな、そこにはまり込むと泥沼やきん、わしは成分がはっきりして比較的安いものしか使わん。いろんな有象無象のエキスを売っりょるんよ。もちろん自作もあるよ。

 さて、うまくいったかな。なんとて比較ができんきん分からん。そりゃ苦労してやったことは成果が出ていると思いたいのは人の情やけど、こればっかりは謙虚に謙虚に見ていかないかんのや。  
タグ :葉面散布


Posted by kazuzo at 19:46Comments(0)いちじく

2012年08月20日

干上がるのも早いけどあふれるのも早い。

 午前中、田んぼに水が無かったきん仕掛けてそんでウトウトしてしもたんな。4時間後、むくりと起き上がって押っ取り刀で田んぼ行ったらこらどいや。溢れとる。仕掛けた三枚とも。わちゃー。今日はようけ水来てたんやなあ。最近夕立あるきんなあ。




 しかしやな、こんなこともあろうかと、田んぼと接しとる部分の畑にはオクラやサトイモ、ショウガといった水が大好きな野菜を植えとるんや。…あわわ、この前場所がなくて端っこに抑制スイートコーンを植えてしもうたが。水につかってしもうたどうしよう。



 まあ夕方見てみたら大丈夫なようであった。

 すぐ水が溢れるんは、コンクリート畦が低いんよな。ここいらのコンクリート畦はうちんくのに限らずみんな低い。地表面から10cmあるかどうかくらい。他所で借りとる畑にもとなりの田んぼから水が溢れて入っとることがたまにある。そんな大雨も降らんのにな。

 なんでか。うちのケースで考える。うちの家の裏のコンクリート畦ができたんは40年くらい前。香川用水が通るか通らんかの頃らしい。まだ田んぼに水が満足に入れれんかった頃やな。そやきん高い畦はいらんなあ。高くしたらコンクリがようけ要るし工事も長引いてコストがかかる。

 土を盛った畦なら盛り足したらええきん畦を簡単に高くでけるけど、コンクリではそうはいかん。いっぺん、ちょっとこの低いとこだけ、上にコンクリ足せんのなってハルオさんに聞いたことがあるんやけど、後で剥離するきんやるんやったら全体にやらないかんと言われて断念。銭かかるきんな。コンクリの上に土を盛っても同様に安定せんしなあ。

 なんでそんなコンクリ畦が早よから普及しとるんか考えてみたんやけど、まあひとつにはいちいち畦塗りせんでもええわな。それとやっぱり香川の水事情があるんと違うやろうか。土の畦やとモグラや野ねずみが穴開けてわりと簡単に漏水する。コンクリ畦ならその心配はない。ちょっとでも水を無駄にせんがためのコンクリ畦やったんとちがうやろうか。それくらい水が貴重やったんは何度も書いたとおり。水をようけまいてしもうてごめんなさい、御先祖様。

 しかし、最近流行りの多収、高温対策技術である稲の深水栽培(技術書も出とる)なんかはできんわなあ。どうせ今の時代にあってもこの土地では水がふんだんに使えるわけでないきん、一人だけ水を20cmも溜めとったら喧嘩になってもおかしくない。その辺は県の品種改良に期待しようかな。「おいでまい」に続いて早生品種の新品種も育成しよるげなで。  
タグ :水のはなし


Posted by kazuzo at 18:45Comments(0)

2012年08月14日

盆菊について決断を迫られとる。

 お盆用の小菊の一部というか半分くらいが、今年背が伸びなんだんやが。去年からの傾向。今年はもっと伸びなんだ。組み花の下の方につかってなんとかしのいだんやけど、組み花は手間がかかる。今年はえらい(しんどい)お盆商戦やったなあ。




 背が伸びんうちにつぼみがついてしまうんや。つぼみがついたらもうそんなには背は伸びんきんな。尿素の葉面散布などでなんとか伸ばしてやろうとする。しかし無理に窒素を吸わせると当然病気にやられる。なんとか殺菌剤でごまかす。これはあれですよ。典型的なdisられやすい慣行農法ですよ。情けないなあ。

 原因はなんやろうか。去年は元肥不足を疑った。ところが今年はブロッコリー跡の残肥があるところに元肥も追肥もしっかりとやった。それでも去年よりさらにこんまい。これはおかしいなと思ってな。調べてみたらわい化病というのが引っかかった。後は初期に低温にさらされたり乾燥ストレスにあたって花芽分化したのではとか。ふうむ。後二者の覚えはあんまりない。病気かなあ。

 わい化病というのはわしもこの機会に初めて知った。病因はウイロイドやが。ういろうが歌唄ったかわいらしいフィギュアになったりスマホになったりするんとちがうで。なんとウイルスよりもっと単純な、RNAだけででけたもんがキクの身体のなかで悪さをするんやが。これに感染すると菊はこんまんなって花の時期もおかしくなったりする。

 菊はこの前も書いたけど、挿し芽で増やすもんやきんな、親株がウイロイドに感染しとるとそこから採った芽はもれなく病気持ちということになる。困ったな。親株残す前にこの病気にかかっとるかどうか白黒はっきりさせたくて、普及所に相談に行って、調べてもらうことにした。

 まあ、どっちにしても今年背が伸びんかった二品種はもう更新してしまうつもりではおったんやけどな。なんでか。前にも書いたかもしらんけど、うちの菊作りのルーツは昔から田舎の百姓のばあちゃんが畑の片隅で自分とこのお墓さん用に作っとる菊や。要するに自給用野菜みたいなもんやが。それを夢ハウス出荷しよるうちにどんどん規模拡大したんがうちの菊作り。今でも昔ながらの品種をやっりょって、背が伸びん2種はそういったやつなんやけど、なんていう品種かもしらんし、そもそも名前があるんかどうかも知らん。近代的な菊品種やったらどれが病気に弱いとかどんな性質があるとか調べたら分かるんやけど、そういった傾向すらわからん。

 それでも優れたところがあればええんやけど、同じように作った近代的ななんだか華麗な名前がついとる品種と比べたらもう太刀打ちできんのよ。そういうのに比べたら花壺は小さいし葉も小さい。葉の色の乗りも悪い。背もそれらに比べたらウイロイド病がなくてもそんなに伸びん。両方作ってみたらよう分かる。病気への強さはそれぞれに良し悪しでどっこいどっこいかな。

 直売所にそういった華麗なる品種を擁するお花専業の農家さんがいっぱいお花を出してくれるようになってきとるんな、最近。お花は市場に出した場合、生産者の手取りと小売り価格の差が一般に野菜以上に大きいんや。自分で組む手間がかかっても直売所に出すのには理がある場合も多いやろうし、リスクヘッジにもなる。そして前にも書いたように昔ながらのおばあちゃんのお花はどんどん減っりょる。お花は見た目が全てやきんな。そりゃ、昔ながらの素朴なお花よりお盆と正月くらいは花も葉っぱもきれいなお花を祀ってあげたほうが御先祖様も喜ぼうっちゅうもんやが。

 これが野菜の話やと、最近昔ながらの在来種や固定種が逆に注目を浴びとるな。大きさや形の揃いが悪くてもどこかにええとこがあるきん、それが市場性につながるんやろう。というか注目の陰でひっそりと消えていっきょる、そうじゃない在来種ももちろん多いはずや。
 
 最近の品種に何をとっても歯がたたない昔の菊はひっそりと消えていくしかないんやろうか。遺伝資源として残し伝えていくべきではないかとか考えてみる。うーん、そういうのは必要があれば研究所や試験所がやっとるか。

 他所はしらんけど、この辺では近所のおばあちゃんたちと融通しあってお互いの手持ち品種を増やしていく慣習があったんや。品種の名前なんかもちろん知らん。それで、便宜上「◯◯子さんピンク」とか「◯江さんの黄」とか呼ぶ。そんな菊の名前になったおばあちゃんのなかにはもう亡くなってしもうた人もおる。その菊の花の咲くのを見てそのおばあちゃんのことを思い出すんよなあ。今回更新しようとしている品種は「近所のおばあちゃんの品種」ではないんやけど。

 ああ、今気づいたけど、わし、なんとか理由をつけて古い品種を残そうとしとるな。苗や種買うてくるもんならそんなことはないんやけどなあ。やっぱりおじいおばあのそのまた前から受け継いできよるもんの…悪く言えばこれは呪縛やな。百姓でないとなかなか分からん感覚かもしらん。お盆の菊という、ご先祖に思いを寄せざるをえない品目であることも大きいはずや。できればウイロイド検査にもシロであってほしいな。  
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Posted by kazuzo at 19:28Comments(0)

2012年08月09日

ゴーゴーソルゴー。











 ブロッコリー前作のソルゴーを押し倒してムチャクチャにして糞まみれにしとるとこ。人によっては風呂に沈める人もおる。

 丁寧に言うと、まずロータリー回さんとトラクターで畑を周回しながら2mあるソルゴーを全部倒すやろ。そんで今度はさっきと逆回りに、ロータリーを高速回転させてソルゴーを鋤き込んでいく。なんで逆回りかというと、順回りで根元から粉砕すると、フリーになったソルゴーをロータリーカバーが引きずってしまうんやが。それではソルゴーが粉砕できんでようない。

 そんで一週間後、鶏糞を散布しながら今度は深く鋤き込む。鶏糞の窒素とアルカリ分でソルゴーの分解を助けるんやが。

 風呂に沈めるっていうんは、ソルゴーを鋤き込むとき畑にジャブジャブと水を入れてトラクター使うんやが。こちらではそっちのほうが多数派。それをやるとソルゴーは腐ってすぐなしんなるし何度もトラクターを使わんでよくなるけど、腐敗系の菌が増えると後々苦労することになるやもしらん。それとこれとはトレードオフ。なんとかお盆前に一段落できたがー。明日からはお花屋さんになるきんな。  


Posted by kazuzo at 19:29Comments(2)野菜