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Posted by あしたさぬき.JP at

2013年10月16日

いもむしもそろそろおさまってきた頃やけど。

 雨が降って寒うなったなあ。いもむし勉強会の報告が遅れてごめん。ニンニク定植準備とか遅れ気味やったブロッコリーの管理とかにてんやわんやでなかなかブログ書く余裕がなかったがー。ニンニク無事植え付け終わったし、報告するな。

 7日の月曜日にやったのは、多分その前の土日がヒノヒカリの稲刈り最盛期で、月曜日はその後の一服かなあと思ったんやけど、雨で裏目ったな。農家の予定を何週間も前に予測するのは難しいよ。おてんとうさま相手やきんな。いっそのこと日を決めて定期にしたほうがええのやろうか。

 資料に簡単にメモしたものをうpしとくな。手抜きですまん。クリックすると拡大するよ。







 補足の話。

 最近の現代農業誌にも載っとったけど、最近の野菜の対いもむし戦線はジアミド系殺虫剤無双。今んとこ日本で登録されとるんはフェニックスとプレバソンな。中でもプレバソンは苗に潅注処理で4週間いもむしを抑えるという触れ込みで一気に普及した。まあこれほんまに助かるきんな。今までは定植してから2週間くらいでいっぺん防除せないかんかったけど、それをせんでええようになった。しかもそれまでの定植時粒剤処理よりもいもむしをきれいに抑えた。1回防除をカットできるということは10aあたり1×2時間人だけ労働力を減らせる。ようけやっりょる人には大きいな。

 でも使い過ぎるとどんどん効かなくなるのは農薬の常。これは医療用抗生物質も一緒やけどな。プレバソンが効かなくなると困るきん、わしは潅注処理でしか使わない。フェニックスもひょっと交差抵抗性があると困るきんなるべくブロの時期には使わない。そしたら何使うかというと、IGRとか最近やったらアニキとかアクセルとかの新規剤。IGRっていもむしがコロリと死なんのな。脱皮をごじゃにする剤やきん。そやきんいもむしが農薬でコロコロ死んだ時代を知っとるおじいさんたちにはあんまり人気ないけど、効くやつはちゃんとよう効くよ。翌日に死んでたらまあええでないか。大きな虫がおったら死ぬまでにまだ葉を食うかもしらんきん、なるべく早期にやる。プレバソンの効果が切れる2,3日前にやっとくと効果的。卵にも効くしな。

 レジュメにも書いたけど、雨の合間に無理から植えてその後の定植にかまけて管理がおろそかになった圃場では、今年の暑さが合ったんやろうか、土が締まって調子の悪いブロッコリーの間にアオビユががいに生えて、そこに今年大発生したハスモンヨトウが産卵。ヒユを食って大きく強くなったハスモンヨトウがブロッコリーを食って、まあプレバソンが効いて死ぬんやけど、大きくなっとるきんすぐには死なんでそれまでに結構食っちゃうという被害がでた。こらどいや~。自分への戒めのためにも恥をさらしとくわな。こういうことしてハスモンヨトウをひょっと撃ち漏らしてしまうと抵抗性系統の発達に繋がってしまう。わしのバカ!下のは卵塊から這い出せ!ハスモンさん、な。





 あと、今年はハスモンヨトウとシンクイムシがようけおったんやけど、圃場によって優勢な虫が違うのも面白いな。いや食われるきん面白くはないんやけど、いやでも面白いな。シンクイムシはだいたい暑い9月半ばくらいまでの虫やったんやけど、今年は10月はじめまで出た。こらえてほしいわ。


 さて、ここからは紹介した本のリンクを貼る趣味と実益のコーナーです。植物の病害虫図鑑はまんのう町図書館にはほんまに充実しとるきん、町内および近隣の皆さんはぜひ利用してな。困った住民を助けてこそ図書館やきんな。

イラスト 基本からわかる病害虫の予防と対策

イモムシハンドブック

イモムシハンドブック 2

虫の卵ハンドブック

天敵大事典―生態と利用

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ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想(DOJIN選書28)

沈黙の春 (新潮文庫)


 『沈黙の春』については以前書いたよな(参照)。レイチェル・カーソンは今から50年前にIPMについて論じていたという側面から再評価したらどうかと思うんな。結局どんな防除手段も万能ではないんやけど、いろんな手段を使って、複雑にからみあう環境やらなんやらと折り合いをつけていこうってことなんな。もし万能をうたう方法や資材があったら、それは疑ったほうがええでという話で会を締めたんや。世の中には万能をうたって人を騙したり、よりよい手段へのアクセスを邪魔して困らせるもんがときどきあるきんなあ。ほんまに。困るよなあ。今度高松の農協でイベントやるアレとか。そのことについては次の記事に書くよ。  

Posted by kazuzo at 20:46Comments(0)畑のべんきょう会

2013年09月29日

お粥もしくはもんじゃ焼き。一生勉強。

 ブロッコリーの植え付けもいよいよ終盤戦。あと10aを残すだけになったが。とはいえ9月の初旬の長雨で予定が狂って押せ押せでやったきん、雨降る前に畝立てといてとりあえず植えとけーって植えたとこなんか草でごじゃハゲ。定植一段落したきんようやく今日からフォローをはじめたとこなんや。

 10aを残すだけと言うても植える畑は当初の予定と違ってしもうた。長雨にあった際、今年借りた大きな畑が、水が全然引かんであずったんやが。広い畑やきん、排水は確かに悪い。それにしてもなかなか引かん。おかしいなと思って長靴履いて畑に入ってみるとズボズボズボズボーって足が入って、30cmくらいんとこでコッツーンって止まった。どこを歩いても鉄板の上にじゅるじゅるの土とかソルゴーの滓とかが乗ってるような状態。お粥という例えを教えてもらったけど、もんじゃ焼きでもいいかもなあ。しかしそんな呑気なことをいうとる場合ではない。とりあえずレンコンならともかくここにブロッコリーは植わらんということで植える予定のなかった水稲跡の畑を代替地として急遽準備して定植。もんじゃ畑は最近の日照りでだいぶ乾いたきん、ついさっき、排水のよさげな10aだけなんとか作付けできるまでにこぎつけた。そんなこんなで9月を終わろうとしておるのです。


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 今年の春に読んだ土壌肥料の本にこんな一節があった。

土壌診断は生産者自身が(中略)穴を掘ることからはじまる。作物の根の気持ちになって穴を掘ることが大切で、作土の部分は掘りやすいが、トラクターの走行による圧密で下層が緻密になっていることが多い。そのような畑やハウスでは作物が根を伸ばすのに苦労する。すなわち、生産者自身が額に汗して穴を掘ること自体が土壌診断であり、作土の化学分析は土壌診断の単なる一部に過ぎない。


 後藤逸男先生によるこのアツい文章読んでちょっと感動したんやけど、なんでわし、ちょうどこの本読んだ頃に借りた畑でちゃんと穴掘りせなんだんやろ。スコップで10cmほど掘って簡易な化学分析をしただけやが。情けないなあ。とほほ。オラ、アツくないよね!こんなことでは土壌医検定2級「土づくりマスター」を返上せないかん。

 こんなわしにお勧めする資格があるのかどうか分からんのやけど、第二回の土壌医検定の受験申し込みが始まっているよ(参照)

 第一回目の試験後の新聞記事によると受験者にお百姓はあんまりおらんで農業関連企業やJA、普及員さんが多かったそうなんや。わしが受験した神戸会場でも確かにそんな感じやった。でもお百姓も積極的に受けてみたらええんと違うかなあ。百姓もプロやきんな。業務検定くらいあってもええんとちがうやろか。もっともわしみたいに実際の畑で痛い目にあってみんと分からんボンクラもおるわけやけど。試験があると思えば教科書も真剣に読むし、勉強になるよ。今年は岡山会場があるきん香川のみんなも受けやすいな。

 ほんでその前に、さしあたってのお勉強会の話。正式な告知が遅くなってしもうたんやけど、10月7日(月)10時からこの前と一緒のまんのう町図書館多目的室で「いもむし相談会」と題してお勉強会をします。今年はハスモンヨトウとかハイマダラノメイガの当たり年っぽいしな。クリックして拡大↓



 このイモムシなんていうんな?というのもたのしいな。よかったら虫かごに入れてもってきてつか(多目的室内のみということでOKもろた)。


 今、図書館ではこんなのもやってるよ。↓秋の夜長は本読んで、そんでお昼は気持ちいい空気の中、畑をしようで。

 
 
  

Posted by kazuzo at 19:46Comments(0)畑のべんきょう会

2013年07月29日

うんこ会終了しました~!

 略しすぎやがな。牛とか鶏とか人間のうんこをどうやって畑の役に立てようかというべんきょう会でした。参加してくださった皆様ありがとうございました。拙い進行でほんとアレでしたけど、ネタで持って行った旧満濃中学校の教室机が役に立つほどの盛況でびっくりしました。

わざとに(いや、ようけ書くのがめんどくさかったわけではなく)スカスカにしたレジュメに当日話題になったりわしが話したことを書きこんで、参考図書と一緒に図書館に並べてもらうことになっとるきん、興味のある方は図書館で見てつかな。そんなわけで今日図書館にそのレジュメを持って行ったんやけど、今まであんまり棚が動いてる形跡のなかった農業の土壌肥料んとこから会で紹介したうちの2冊が貸出中になっててうれしかったな。

 お仕事のためのお勉強をするのは楽しいよ。高校世界史&生物と大学での憲法学(生徒学生の時分におもっしょかったんそれだけやった)以来本気で勉強しとる。

この頁をめくればどうなるものか危ぶむなかれ  危ぶめば頁はなし

めくり出せばその一頁が銭となり その一頁が銭となる

迷わずめくれよ めくればわかるさ



 いやまあ本で勉強するだけではあかんくて、でも経験と勘に頼るのは遠回りで、農学的知と経験を上手く回そうというのが趣旨やったんやけど、わし緊張してしゃべり過ぎてしかも図書館のサイトにアップされとる写真見たら坊主のデブが偉そうにロクロ回っしょるでないか!ふがわるいが…(そやきんリンクは貼らん)。「ロクロ回すな、知を回せ」、今後の標語にしたいと思うところです。

 話題がそれなりに盛り上がったのは実際に堆肥を散布するのをどうしようかっていうところやったかな。みんなそれ困るんな。なんとて臭いきん。安くたくさん散布してくれる畜産、酪農、養鶏屋さんもおられるんやけど、大量にあると臭い。特に民家が近くとかやと気をつかうんな。大量の堆肥を均等に撒く方法…。散布機にも一長一短があって、ぶわーっと撒くぶんは隅々までは撒けん。他所に飛んだらいかんきんな。わしがたどり着いたのは丁寧に作られて水分も少なく、その分養分の量やバランスに優れた(ということはようけまかんで済む)ペレット鶏糞を、トラクターの前につけたボトボトと下に落としていくタイプの散布機(ライムソワー)で落としながらすぐ耕転していく方法。これやと全くといっていいほど臭わんし、精密に散布でける。



 ほんで思ったんやけど、やっぱり困ってる話は盛り上がるんな。終わったあとの雑談でもそうやった。じゃあ困ってる話をしよう。みんなで困ってる話を共有して解決方法を探ろう。そうそう、うんこの会の最後では、糞の処理に困ってる畜産農家の悩みを共有しようということでそういう本を2冊紹介させてもろた。

 もし8月終わりか9月頭にやるとしてその頃に困りそうなのはなんかというと…わしが思うにイモムシやな。うんこの次はイモムシ。いや、ふざけとんと違うんで。こういう旱魃の年は蝶や蛾が雨に打たれて死なんきん、秋のイモムシケムシが大発生しがちになるんや。特に注意すべきはダイコンシンクイムシことハイマダラノメイガと、ネキリムシことカブラヤガ。こいつらは成長点を食いちぎってしまったり、茎を株元からチョンパしてしまう、いわば一撃必殺の、魔女でいうとシャルロッテみたいなやつらやきんな。大発生してからでは対処が間に合わんのやが。

 そいつらをはじめとするイモムシ達、コナガやハスモンヨトウ、アオムシ、オオタバコガ、メイガ類、ウワバ類、おっと毛虫も忘れたらいかん、チャドクガやイラガ、アメリカシロヒトリ、特産のいちじくにつくイチジクヒトリモドキなどなど。どうやって楽に、なるべく環境負荷が少ない方法で防ぐか。そんなことをみんなであーでもないこーでもないとやれたらなあ。どうやろか。病害虫の発生状況や対応策は日々変化するきん、本だけでなしにインターネット情報を上手に使えると便利。かと言ってググって一番上に出てきたヤフー知恵袋の情報を信じて農薬使うたら登録外やったり…みたいなのは避けたいよね。

 というわけでブロッコリーの植え付け準備で死んでなかったら一ヶ月後くらいを目処にやりたいと思いますのでご意見つか。 

 
  

Posted by kazuzo at 21:25Comments(0)畑のべんきょう会

2013年07月07日

畑のべんきょう会をしよう!

 この町に必要な農業書をいっぱい集めた図書館がでけた!のは前に書いたよな。

 素晴らしい!そして素晴らしい!みんなで使おう!有効に使おう!みんなはみんなの持ち場で使おう!わしの持ち場?畑やがな。そんなわけでこんなのを企画した。クリックで拡大↓



 農業ってな、理屈だけでもいかんし、経験や勘だけでもなかなかうまいこといかん。「ナントカでナントカがピシャリと止まる」もええんやけどな、基礎的な教科書を読み込みながら何年か畑仕事をやった人やったら経験したことがあるかもしらんと思うんやけど、理屈と経験がある閾値を超えたら、理屈と経験がクルクルと好循環になる知的快感が得られるようになるんよ。これほんとに嬉しい。そういう理屈と経験のすりあわせ、もしくは理屈と経験の限界を知ることによってよりそれを実用的にする作業、それをみんなでやればサイクルを楽に回せるようになるのではないかと思ったんや。

 とりあえずわしが理屈とかブックリストを書いた資料を用意するきん、それを確認しつつみんなの経験を語ろう。そしてあーだこーだ言おう。わし、講師と違うきんな。用務員やきんな。一応こんな資格(2級)持ってるけど例えばニンニクなんかまだ4回しか作ったことないきんな。

 最初のテーマはうんこです。うんこ。うんこが好きです。秋野菜の作付け前には畑に堆肥をふるけど、なにがどうええんやろうか。どうやったら楽に、臭いをまき散らかさずに散布でけるのか、逆にやったらいかんこととかないやろか。そういうことをやろうと思います。

 その後も時宜に応じたテーマをいろいろ考えているよ。例えば、イモムシ!アブラムシ!…虫を食べる話は基本的にせんきんな、安心してつかな。特にアブラムシは食べ応えがないきんな。化学肥料!草と緑肥と!のうやく!この辺の水!土を計ろう!土をたがやす!寒さをしのぐ!みんなもこんなテーマがあるよというのを教えてつか!

 会が終わったらみんなの経験を加えてレジュメをアップデートさせて、ブックリストにある本と一緒に図書館に並べてもらうよ。知と経験のサイクルを広げていこう。できることなら畑仕事のそういった知的作業を畑をしていない人にも知ってもらおう。おもっしょいと思ってもらえたらうれしいし、一緒に畑がしたいと思ってもらえたらもっとうれしい!楽しい!大好き!あ、ビラに書き忘れたけどまんのう町外の人も遠慮なしによってつかな!
  

Posted by kazuzo at 21:18Comments(4)畑のべんきょう会