2012年08月14日
盆菊について決断を迫られとる。
お盆用の小菊の一部というか半分くらいが、今年背が伸びなんだんやが。去年からの傾向。今年はもっと伸びなんだ。組み花の下の方につかってなんとかしのいだんやけど、組み花は手間がかかる。今年はえらい(しんどい)お盆商戦やったなあ。
背が伸びんうちにつぼみがついてしまうんや。つぼみがついたらもうそんなには背は伸びんきんな。尿素の葉面散布などでなんとか伸ばしてやろうとする。しかし無理に窒素を吸わせると当然病気にやられる。なんとか殺菌剤でごまかす。これはあれですよ。典型的なdisられやすい慣行農法ですよ。情けないなあ。
原因はなんやろうか。去年は元肥不足を疑った。ところが今年はブロッコリー跡の残肥があるところに元肥も追肥もしっかりとやった。それでも去年よりさらにこんまい。これはおかしいなと思ってな。調べてみたらわい化病というのが引っかかった。後は初期に低温にさらされたり乾燥ストレスにあたって花芽分化したのではとか。ふうむ。後二者の覚えはあんまりない。病気かなあ。
わい化病というのはわしもこの機会に初めて知った。病因はウイロイドやが。ういろうが歌唄ったりかわいらしいフィギュアになったりスマホになったりするんとちがうで。なんとウイルスよりもっと単純な、RNAだけででけたもんがキクの身体のなかで悪さをするんやが。これに感染すると菊はこんまんなって花の時期もおかしくなったりする。
菊はこの前も書いたけど、挿し芽で増やすもんやきんな、親株がウイロイドに感染しとるとそこから採った芽はもれなく病気持ちということになる。困ったな。親株残す前にこの病気にかかっとるかどうか白黒はっきりさせたくて、普及所に相談に行って、調べてもらうことにした。
まあ、どっちにしても今年背が伸びんかった二品種はもう更新してしまうつもりではおったんやけどな。なんでか。前にも書いたかもしらんけど、うちの菊作りのルーツは昔から田舎の百姓のばあちゃんが畑の片隅で自分とこのお墓さん用に作っとる菊や。要するに自給用野菜みたいなもんやが。それを夢ハウス出荷しよるうちにどんどん規模拡大したんがうちの菊作り。今でも昔ながらの品種をやっりょって、背が伸びん2種はそういったやつなんやけど、なんていう品種かもしらんし、そもそも名前があるんかどうかも知らん。近代的な菊品種やったらどれが病気に弱いとかどんな性質があるとか調べたら分かるんやけど、そういった傾向すらわからん。
それでも優れたところがあればええんやけど、同じように作った近代的ななんだか華麗な名前がついとる品種と比べたらもう太刀打ちできんのよ。そういうのに比べたら花壺は小さいし葉も小さい。葉の色の乗りも悪い。背もそれらに比べたらウイロイド病がなくてもそんなに伸びん。両方作ってみたらよう分かる。病気への強さはそれぞれに良し悪しでどっこいどっこいかな。
直売所にそういった華麗なる品種を擁するお花専業の農家さんがいっぱいお花を出してくれるようになってきとるんな、最近。お花は市場に出した場合、生産者の手取りと小売り価格の差が一般に野菜以上に大きいんや。自分で組む手間がかかっても直売所に出すのには理がある場合も多いやろうし、リスクヘッジにもなる。そして前にも書いたように昔ながらのおばあちゃんのお花はどんどん減っりょる。お花は見た目が全てやきんな。そりゃ、昔ながらの素朴なお花よりお盆と正月くらいは花も葉っぱもきれいなお花を祀ってあげたほうが御先祖様も喜ぼうっちゅうもんやが。
これが野菜の話やと、最近昔ながらの在来種や固定種が逆に注目を浴びとるな。大きさや形の揃いが悪くてもどこかにええとこがあるきん、それが市場性につながるんやろう。というか注目の陰でひっそりと消えていっきょる、そうじゃない在来種ももちろん多いはずや。
最近の品種に何をとっても歯がたたない昔の菊はひっそりと消えていくしかないんやろうか。遺伝資源として残し伝えていくべきではないかとか考えてみる。うーん、そういうのは必要があれば研究所や試験所がやっとるか。
他所はしらんけど、この辺では近所のおばあちゃんたちと融通しあってお互いの手持ち品種を増やしていく慣習があったんや。品種の名前なんかもちろん知らん。それで、便宜上「◯◯子さんピンク」とか「◯江さんの黄」とか呼ぶ。そんな菊の名前になったおばあちゃんのなかにはもう亡くなってしもうた人もおる。その菊の花の咲くのを見てそのおばあちゃんのことを思い出すんよなあ。今回更新しようとしている品種は「近所のおばあちゃんの品種」ではないんやけど。
ああ、今気づいたけど、わし、なんとか理由をつけて古い品種を残そうとしとるな。苗や種買うてくるもんならそんなことはないんやけどなあ。やっぱりおじいおばあのそのまた前から受け継いできよるもんの…悪く言えばこれは呪縛やな。百姓でないとなかなか分からん感覚かもしらん。お盆の菊という、ご先祖に思いを寄せざるをえない品目であることも大きいはずや。できればウイロイド検査にもシロであってほしいな。
背が伸びんうちにつぼみがついてしまうんや。つぼみがついたらもうそんなには背は伸びんきんな。尿素の葉面散布などでなんとか伸ばしてやろうとする。しかし無理に窒素を吸わせると当然病気にやられる。なんとか殺菌剤でごまかす。これはあれですよ。典型的なdisられやすい慣行農法ですよ。情けないなあ。
原因はなんやろうか。去年は元肥不足を疑った。ところが今年はブロッコリー跡の残肥があるところに元肥も追肥もしっかりとやった。それでも去年よりさらにこんまい。これはおかしいなと思ってな。調べてみたらわい化病というのが引っかかった。後は初期に低温にさらされたり乾燥ストレスにあたって花芽分化したのではとか。ふうむ。後二者の覚えはあんまりない。病気かなあ。
わい化病というのはわしもこの機会に初めて知った。病因はウイロイドやが。ういろうが歌唄ったりかわいらしいフィギュアになったりスマホになったりするんとちがうで。なんとウイルスよりもっと単純な、RNAだけででけたもんがキクの身体のなかで悪さをするんやが。これに感染すると菊はこんまんなって花の時期もおかしくなったりする。
菊はこの前も書いたけど、挿し芽で増やすもんやきんな、親株がウイロイドに感染しとるとそこから採った芽はもれなく病気持ちということになる。困ったな。親株残す前にこの病気にかかっとるかどうか白黒はっきりさせたくて、普及所に相談に行って、調べてもらうことにした。
まあ、どっちにしても今年背が伸びんかった二品種はもう更新してしまうつもりではおったんやけどな。なんでか。前にも書いたかもしらんけど、うちの菊作りのルーツは昔から田舎の百姓のばあちゃんが畑の片隅で自分とこのお墓さん用に作っとる菊や。要するに自給用野菜みたいなもんやが。それを夢ハウス出荷しよるうちにどんどん規模拡大したんがうちの菊作り。今でも昔ながらの品種をやっりょって、背が伸びん2種はそういったやつなんやけど、なんていう品種かもしらんし、そもそも名前があるんかどうかも知らん。近代的な菊品種やったらどれが病気に弱いとかどんな性質があるとか調べたら分かるんやけど、そういった傾向すらわからん。
それでも優れたところがあればええんやけど、同じように作った近代的ななんだか華麗な名前がついとる品種と比べたらもう太刀打ちできんのよ。そういうのに比べたら花壺は小さいし葉も小さい。葉の色の乗りも悪い。背もそれらに比べたらウイロイド病がなくてもそんなに伸びん。両方作ってみたらよう分かる。病気への強さはそれぞれに良し悪しでどっこいどっこいかな。
直売所にそういった華麗なる品種を擁するお花専業の農家さんがいっぱいお花を出してくれるようになってきとるんな、最近。お花は市場に出した場合、生産者の手取りと小売り価格の差が一般に野菜以上に大きいんや。自分で組む手間がかかっても直売所に出すのには理がある場合も多いやろうし、リスクヘッジにもなる。そして前にも書いたように昔ながらのおばあちゃんのお花はどんどん減っりょる。お花は見た目が全てやきんな。そりゃ、昔ながらの素朴なお花よりお盆と正月くらいは花も葉っぱもきれいなお花を祀ってあげたほうが御先祖様も喜ぼうっちゅうもんやが。
これが野菜の話やと、最近昔ながらの在来種や固定種が逆に注目を浴びとるな。大きさや形の揃いが悪くてもどこかにええとこがあるきん、それが市場性につながるんやろう。というか注目の陰でひっそりと消えていっきょる、そうじゃない在来種ももちろん多いはずや。
最近の品種に何をとっても歯がたたない昔の菊はひっそりと消えていくしかないんやろうか。遺伝資源として残し伝えていくべきではないかとか考えてみる。うーん、そういうのは必要があれば研究所や試験所がやっとるか。
他所はしらんけど、この辺では近所のおばあちゃんたちと融通しあってお互いの手持ち品種を増やしていく慣習があったんや。品種の名前なんかもちろん知らん。それで、便宜上「◯◯子さんピンク」とか「◯江さんの黄」とか呼ぶ。そんな菊の名前になったおばあちゃんのなかにはもう亡くなってしもうた人もおる。その菊の花の咲くのを見てそのおばあちゃんのことを思い出すんよなあ。今回更新しようとしている品種は「近所のおばあちゃんの品種」ではないんやけど。
ああ、今気づいたけど、わし、なんとか理由をつけて古い品種を残そうとしとるな。苗や種買うてくるもんならそんなことはないんやけどなあ。やっぱりおじいおばあのそのまた前から受け継いできよるもんの…悪く言えばこれは呪縛やな。百姓でないとなかなか分からん感覚かもしらん。お盆の菊という、ご先祖に思いを寄せざるをえない品目であることも大きいはずや。できればウイロイド検査にもシロであってほしいな。
タグ :菊
一桶花屋さんのすすめ。
お彼岸のお花にしんみりする。
寒菊の定植がエンドレスリバウンドなんとかボム
実はまだ寒菊の挿し穂をしよる。
今年は菊が高いようやが。
不快害虫用農薬についてはよう知らんかった。
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Posted by kazuzo at 19:28│Comments(0)
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