2014年03月09日

ぼくのかんがえたさいきょうのぶろっこりー

 サマードームくらい吸肥力があってー、 すばるくらい大きな側枝花蕾がようけ出てー、グランドームくらい花蕾の高さがあってー、美緑408くらい豊満でー、ベルスターくらい花蕾の味がよくてー、盛緑180くらい茎がやりこくて甘くてー、グリーンキャノンくらい根こぶ病に強くてー、美緑410くらいべと病に強くてー、で、名前がこれ。「あなたを導く円環の理」っていうマンションのチラシみたいなキャッチコピーで売りだそうで。え、ニッチ?ごめんなさい。

 ほんでも実際、そんなさいきょうのぶろっこりーってないんな。どれもええとこもあるけどあかんとこもある。みんな違ってみんなちょっとよかったりちょっとダメ。ええとこと欠点がトレードオフになってる場合もある。

 ブロッコリー秋冬収穫も最終盤。最近採っりょるのは某社の名前がまだついてない新品種なんやけど、うん、確かにええもんがでける。葉が最後までようけ出てそれがしっかり光合成して花蕾を充実させつつ、花蕾をくるんで寒さからも守る。

ぼくのかんがえたさいきょうのぶろっこりー


むいたとこ。

ぼくのかんがえたさいきょうのぶろっこりー


 ところが今年のこの雨とか雪の多さ。思わぬことが起きた。他の品種は花蕾が大きくなるにつれて葉も開いていくんやけど、こいつは収穫段階まで葉が花蕾に密着しておってくれるんな。そしたら花蕾と葉のとこに水が溜まる場所がでけてしもうたんや。そんでそこに病気が発生しよるのがちらほら。これは今までになかったパターンやなあ。だいたい花蕾の病気が出るんって、前にも書いたけど、花蕾自体のくぼみとかやったきんな。まあこの初めて作る品種、ちょっと定植するんが遅かったなあ。物はええきん、もっと早めに定植して、そんで最後の追肥を控え目にするとか、葉にくるまれてる期間が長いのを利用して、カルシウムの葉面散布とか細菌病の殺菌剤をちゃんとやっとくとかすべきやなあ。どうも花蕾自体も病気に弱そうな感じ。色の感じが、アントシアンレスってゆって、寒さや強日射でもあんまり赤くならん系統の血がちょっと入っとるっぽい。その手の系統は花蕾の窒素の割合が多くなりがちで、そしたら病気にやられやすくなるんな。アントシアンが出たら等級がひとつ下がるんやけど、アントシアンを避けようとすると花蕾につく病気のリスクが増える。難儀やのう。

 アントシアンはそろそろ赤ブロッコリーとか紫ブロッコリーということでこらえて欲しいが。ああ、品種によってはピンクっぽい色が出るのもあるなあ。ひなまつりにどうやろか。


 そんなわけで万能ブロッコリー、完璧ブロッコリーなんてのはないんやけど、ええとこ伸ばして欠点を栽培管理でカバーするのが百姓の腕の見せ所やな。F1品種でええとこどりーとか言われるけど、ブロッコリーほぼみんなF1やけど、ええとこばかりでありゃしないーやきんな。そんなうまいこといくかいな。相手は地球の気候やのに。


ぼくのかんがえたさいきょうのぶろっこりー


 最近がいに寒いのう~。この寒さは想定外やったけど、ゴールデンウィークを狙うばくちブロッコリーは不織布トンネルの中でなんとか耐えとるがー。あと2,3日の辛抱やで。



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この記事へのコメント
ブロックを長年作っている人は、美緑(よしみどり)が一番好きだと言ってました。

やっぱりきれいらしい。

根こぶって、やっぱり菌が増殖した状態なんでしょう。

ブロッコリーはアブラナ科ですが、
次はキク科のレタスなんか植えた方が良いけど、農家にとっていろいろって大変なんですか?
Posted by 若い?奥さん・・・ at 2014年03月19日 09:09
ところで、ところで
農家に外国人労働者を雇うのってどう思いますか?
良い面、悪い面といろいろとあると思いますが、進んでしようとは思いませんよね・・。

農家に人を呼び込むって大変ですよね・・。
Posted by 若い?奥さん・・・ at 2014年03月19日 09:17
美緑は花蕾も茎もボリュームがあるのできれいですねえ。花蕾は充実して美味しいし、茎も甘いです。

根こぶは糸状菌とか原生生物とか分類に見解が別れてますけど、そういうのが根に取り付いたら根の中で増殖して、またそこから土の中に出て行くんですね。そんで普通に10年くらい土の中で寝てるので難儀なやつですねえ。

ブロとレタスは共通の病害虫もいてますけど、それぞれ最大の問題になる根こぶ病はブロだけ、ビッグベイン病はレタスだけなので、それ避けるためにブロ→稲→レタス→稲→ブロとかありだと思います。でも根こぶは高phで抑えられるのに対してビッグベインは高phで発病助長しちゃうのでそこが難儀かなあ。あとブロは普通に硝酸態窒素吸いますけど、レタスはアンモニア吸うっていう違いも。

外国人労働者…というか現行制度では研修生ですよね。ほとんどのケースでは単なる安価な労働力です。福井の田谷さんみたいに http://www.nouentaya.com/ ほんとうにちゃんと研修するのならお互い意味があるでしょうけど、それができる人は限られてますよね。有休農地はなんぼでもあるので、まんのう町で農業で食っていきたいという、ちゃんと座学が受けられる(これ大事)若者がいたら研修生雇いたいっていう気持ちはありますけど、人雇ったら昼間から競輪できなくなるからなあ(笑)。
Posted by kazuzokazuzo at 2014年03月20日 17:49
そうそう、この稲が大事ですよね。
ブロッコリーで激しく根こぶが出ている農家さんに稲を作っては?と話してみたけど、次の年もブロッコリー作ってました。

農家生まれの農家育ちの私ですが、座学と同時にやっぱり経験でしょうか。

農業って結構、動物的な勘も働かないと今年は全滅だったみたいなことありそうで・・・。

それとやっぱり無駄に農薬をフル人が怖いですねー。

外国人研修生は花とかの方が雇いやすいかもしれませんね。
Posted by 若い?奥さん at 2014年03月20日 20:05
上記の件ですが、間違えました。
池の水を入れてみたら?と言ったのでした。

どうなんでしょう。やっぱり稲作らんとあかんのでしょうか?
Posted by 若い?奥さん at 2014年03月20日 20:24
畑が他にもあるのなら休ませてあげたほうがええですねえ。とはいえ2,3年休ませたところで減らないのがねこぶのこあいところですけど。夏の暑い時期に池の水をたっぷり溜めてお湯にするとねこぶかびは死にませんけど菌核菌が死んでよいです。

座学と経験は車の両輪、動物的勘は急制動のためのブレーキかな、いざというときの。

無駄にふるのはコスト的にも散布者の健康にも環境負荷的にもしんどいですね。登録内容にそっていれば食べる人にはこあくないとはいえ。

マレーシアなんか結構花栽培盛んですからね、両方に有意義な研修がでけるかもしれませんね。
Posted by kazuzokazuzo at 2014年03月21日 16:46
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