2013年01月20日
ブロッコリー高くてごめんなさい。
ブロッコリーとレタスが相変わらず高いなあ。正確には、クリスマスを第一のピークとして12月の終わりから1月頭にかけて少し安かったんやけどまた第二のピークがやってきて高止まっとるなあ。
寒いんやが。なんとて寒い。雨はそれなりに降ってくれとるんやけど、とにかく寒い。そらブロッコリーはふくれんし、レタスは巻かん。ここ2~3年の厳しい冬になる傾向やけど、今年が一番寒いんとちがうん。え、そんなことないって?それは最近流行りのヒートテックなんかの発熱系のシャツのおかげさまを疑ってみてもええかもしらん。わしもあれ着て仕事するやろ。ほんだらちょっと動いただけでぬくんなって、気温の感覚がおかしくなるんやが。今日はぬくいな10℃はあるなと思って気温計みたら6℃とかな。ちょっと気をつけとかなトンネルなんかの温度管理で下手打つことになるかもしらん。
ちょっとブロッコリー産地の今の様子について説明するわな。わしらも大消費地の様子が知りたいと思うことがあるけど、それは逆もそうやろうと思うきんな。
これはうちの場合やけど、10月末~翌年4月半ばまで、7つの品種をリレーして収穫していくんやが。この辺である程度の面積やっりょる百姓はだいたい6つか7つでリレーするん。今は1月の下旬やけど、数年前までの暖冬傾向の年やったら4番目の品種を収穫しよる頃。ところが今年はまだ3番目を採っりょる。4番目はまだ固くて小さな蕾。しかもやな、2番目の品種が、これが寒さに敏感なやつでな、11月半ばからの低温で縮こまってしもうてまだほとんど採れてないんやが。そんなわけでどんどんフン詰まってくる。品が出ないきんお値段も高い。ごめんなさい。
そんでやけど、フン詰まりは詰まれば詰まるほど、ぬくくなったときに一気に出るものが多くなる。それが遅くても2月下旬に来る。これが恐ろしいんやが。今は高値でワッショイってなってると思ったら大間違いで、みんな冬が永遠に続きでもしない限りやってくる大暴落にガクガクブルブルしとるんやが。大暴落は高騰の程度が大きいほどドッカンと落ちるきんな。氷河期になったわけでもないやろうきん、大暴落は必ず来る。「統計よ」ワルプルギスの夜みたいなもんやが。
以前大阪大学の大竹文雄先生が農家が野菜を畑に鋤き込んでしまうことの間違いを論じておられたけど(参照)、鋤き込んで補填金が出る特定の野菜は別にして、市場でついた値段が、サンクコスト関係なしに純粋に流通経費だけを下回るケースが出るのが大暴落の恐ろしいところやが。それはどういうことかというと、お金を払って買ってもらうというわけがわからない話になるということやが。合理的経済人でなくてもそんなことせんよな。
ちょっと愚痴言うてしもうたけど、大竹先生の中公新書の2冊は経済学の基本から最先端の神経経済学まで、そのエッセンスが簡単に学べて面白いよ。特に『競争と公平感』は経済政策論議の華やかな今こそみんなに読んで欲しい本。
そやきん、大暴落の前になるべく多く出荷せねばならん。そうすれば高騰を緩衝することにもなるし、大暴落から逃げることもでける。そない言うてもお天道さま次第…でもな、こういうときになぜか良い品をようけ出せる百姓がたまにおるんよなあ。それが技術を持っとるということなんよ。天候を技術でヘッジして高値のときに収穫ピークを持ってくる。よく、農協出荷は価格決定権がないきん安値で買い叩かれていかんきん、農家が価格決定権を持つような流通をせないかんって、意識の高い農家の人とかコンサルさんとか言うよね。でもな、技術あってこその価格なんよ。ほんま。技術があれば価格はちゃんとついてくる。それは間違えたらいかん。
今年うちはたまたま作付け計画があたってそれなりに出荷できてるけど、大暴落に飲み込まれる作柄も少なからず出そうやが。技術を精出して磨かないといかん。技術と一口に言うても土づくりから気候を読むことまでなんというか途方もない道のりなんやけど、千里の道も御堂筋線からというわけで、各駅停車でコツコツ行こうと思うんやが。
寒いんやが。なんとて寒い。雨はそれなりに降ってくれとるんやけど、とにかく寒い。そらブロッコリーはふくれんし、レタスは巻かん。ここ2~3年の厳しい冬になる傾向やけど、今年が一番寒いんとちがうん。え、そんなことないって?それは最近流行りのヒートテックなんかの発熱系のシャツのおかげさまを疑ってみてもええかもしらん。わしもあれ着て仕事するやろ。ほんだらちょっと動いただけでぬくんなって、気温の感覚がおかしくなるんやが。今日はぬくいな10℃はあるなと思って気温計みたら6℃とかな。ちょっと気をつけとかなトンネルなんかの温度管理で下手打つことになるかもしらん。
ちょっとブロッコリー産地の今の様子について説明するわな。わしらも大消費地の様子が知りたいと思うことがあるけど、それは逆もそうやろうと思うきんな。
これはうちの場合やけど、10月末~翌年4月半ばまで、7つの品種をリレーして収穫していくんやが。この辺である程度の面積やっりょる百姓はだいたい6つか7つでリレーするん。今は1月の下旬やけど、数年前までの暖冬傾向の年やったら4番目の品種を収穫しよる頃。ところが今年はまだ3番目を採っりょる。4番目はまだ固くて小さな蕾。しかもやな、2番目の品種が、これが寒さに敏感なやつでな、11月半ばからの低温で縮こまってしもうてまだほとんど採れてないんやが。そんなわけでどんどんフン詰まってくる。品が出ないきんお値段も高い。ごめんなさい。
そんでやけど、フン詰まりは詰まれば詰まるほど、ぬくくなったときに一気に出るものが多くなる。それが遅くても2月下旬に来る。これが恐ろしいんやが。今は高値でワッショイってなってると思ったら大間違いで、みんな冬が永遠に続きでもしない限りやってくる大暴落にガクガクブルブルしとるんやが。大暴落は高騰の程度が大きいほどドッカンと落ちるきんな。氷河期になったわけでもないやろうきん、大暴落は必ず来る。「統計よ」ワルプルギスの夜みたいなもんやが。
以前大阪大学の大竹文雄先生が農家が野菜を畑に鋤き込んでしまうことの間違いを論じておられたけど(参照)、鋤き込んで補填金が出る特定の野菜は別にして、市場でついた値段が、サンクコスト関係なしに純粋に流通経費だけを下回るケースが出るのが大暴落の恐ろしいところやが。それはどういうことかというと、お金を払って買ってもらうというわけがわからない話になるということやが。合理的経済人でなくてもそんなことせんよな。
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そやきん、大暴落の前になるべく多く出荷せねばならん。そうすれば高騰を緩衝することにもなるし、大暴落から逃げることもでける。そない言うてもお天道さま次第…でもな、こういうときになぜか良い品をようけ出せる百姓がたまにおるんよなあ。それが技術を持っとるということなんよ。天候を技術でヘッジして高値のときに収穫ピークを持ってくる。よく、農協出荷は価格決定権がないきん安値で買い叩かれていかんきん、農家が価格決定権を持つような流通をせないかんって、意識の高い農家の人とかコンサルさんとか言うよね。でもな、技術あってこその価格なんよ。ほんま。技術があれば価格はちゃんとついてくる。それは間違えたらいかん。
今年うちはたまたま作付け計画があたってそれなりに出荷できてるけど、大暴落に飲み込まれる作柄も少なからず出そうやが。技術を精出して磨かないといかん。技術と一口に言うても土づくりから気候を読むことまでなんというか途方もない道のりなんやけど、千里の道も御堂筋線からというわけで、各駅停車でコツコツ行こうと思うんやが。
Posted by kazuzo at 18:32│Comments(2)
│野菜
この記事へのコメント
「技術があれば価格はちゃんとついてくる」
なんとためになるお話か。
肝に銘じておこう。
去年の12月中旬に「うは!レタス高い!」と慌てて種まきしてみました。
収穫できるのは4月やが気にしたら負け。
極端な年があると来年みんながどう動くかみるのも面白そうですな。
なんとためになるお話か。
肝に銘じておこう。
去年の12月中旬に「うは!レタス高い!」と慌てて種まきしてみました。
収穫できるのは4月やが気にしたら負け。
極端な年があると来年みんながどう動くかみるのも面白そうですな。
Posted by 畜産 at 2013年01月22日 19:13
露地野菜は畑とトラクターと管理機さえあれば特に追加の設備投資なしにいろんなことができるので楽しいですね。特に意欲ある生産者の多い直売所などはみんな研究熱心で裏のかきあいがヒリヒリするよ。
Posted by kazuzo at 2013年01月23日 19:06