2012年05月17日

草コミュニケーションのほうがさしあたっての課題やが。

 農薬コミュニケーションのことを考えとったけど(参照)、そうこうしているうちに季節は初夏が近づきまあ畑も緑色が濃くなってきたな。うちの露地オクラとスイートコーンの畑。今こんなん。

草コミュニケーションのほうがさしあたっての課題やが。

 これ、農家の人やったらまあ草だらけでないか、ざまくいのーと思うやろけど、わざわざ種播いて生やしとる。畝間にはマルチ大麦。畑を囲むようにヘイオーツというえん麦の一種。どちらもムギクビレアブラムシというアブラムシが付くのでその天敵も呼ぶ。その天敵にオクラのアブラムシをやつけてもらう。おかげさまで一番アブラムシが付きやすい本葉の出始めやけど、アブラムシは増殖することなくコントロールされとる。ありがたいな。ヘイオーツはさしあたって作付けしない場所に播いとるんやけど、その間にアブラナ科の大敵根こぶ病の悪さをはたらくネコブカビをこらっしゃげる。マルチ大麦は、暑くなって枯れると畝間の草を抑える。なんと甲斐甲斐しい草たちであろうか!!

 でもうちのおばあには評判悪い。とにかく農村のおばあは草が嫌いやきんな。この畑でなくていちじく園の話やけど、こっちにはナギナタガヤという草を生やしとる。ちょうど今ごろ、暖かくなるとグングン伸びて、梅雨どきになるとべったり倒れて他の雑草を抑える。全国の果樹園を守ってる草やが。ところが毎年おばあに言われる。「このハリガネみたいな草がいちじく枯らすんじゃあ。死んだじいさんに申し訳ない!」漫画みたいな台詞やけど、一字一句このように言われたきんな。その理屈は、草に隠れてテッポウムシ(カミキリムシの幼虫。食ったら昆虫の中で一番美味いらしい)が侵入するそうなんやけど、わざわざ草をかき分けて入ろうとするかなあ。

 さて、この春からいくつか休耕田を借りてブロッコリーを作ることになった。ブロッコリーの作付けは秋。それまでは何をしよるかというと緑肥を作付けして土を肥やすんやが。ところが、知らない人から見たら緑肥も単なる草。しかもでかくなる。もうとにかく生理的に草がすかんという人がおるきんな。借りた畑で作業するときは近所の人に会うたびに説明する。ソルゴーくらいなら知ってる人も多いんやけど、ヘイオーツやヘアリーベッチはこの辺りでは馴染みがない。

 そんなこんなで最近ようやく緑肥をまき終えたんやけど、そんなときよく読んでる北陸の若い篤農家のブログに衝撃的なことが書いてあった(複雑な話なのでリンクは避けるわな)。借りていた減反の田んぼにバンカープランツ(最初のほうに書いたような天敵を集めるための草)を生やして野菜を作ってたら、返してくれと言われたとか。その方はローカルのテレビや、百姓の弁論大会の全国大会に出るような熱心で有名なお百姓さんなのに草を生やしているというだけで嫌がられる。ちょっと戦慄してしもうたが…。もっともうちの借りてる畑は何年か後に水田に戻す減反の田んぼではなくて休耕田だったり耕作放棄地だったり持ち主の方が都会におったりと条件は違うんやけどな。

 問題は持ち主との間だけで起きるとは限らん。隣接する田んぼの持ち主にはちゃんと説明しておかないと、虫が飛んでくるでないかーとトラブルになるかもしらん。近所の人にも気持ち悪がられるかもしらん。

 もうひとつ問題になってくるのは畦草刈り。この辺りはコンクリート畦が多いんやけど、そうじゃないところもある。そういうところは草を刈らないかんのやけど、地域や人によってその流儀が変わってくる。わしはクローバーみたいな地をはう草を残して作業や通行の邪魔になる背の高い草を抑えるのに利用する手段を取る。これやと背の低い草は残るけど草はコントロールされて草を刈る頻度は少なくて済む。でも少数派。みんなほんまきちんとしとるんで。刈払機を擦り付けるように低く刈って、刈った草が乾いたら燃やして灰にしてしまう。わしなんかは刈った草をそこに敷いとけば下から草が生えんでええやないかと思ってたんやけど、焼くのにもちゃんと理屈があって、刈草をそのまま置いといて畦を肥やしてしもうたらミミズが増えてそんでそれを食うモグラが来て畦に穴を開けてしまうとのことやが。なるほどなあ。じゃあ、畑なら穴開けてもろて排水をよくしようかなと考えるのがわしのようななまけもの。どの手段にもメリット・デメリットがある。

 とにかく利害関係者には丁寧に説明。できれば草や緑肥を利用する技術、草をコントロールする技術をもっと広く知ってもらいたい。楽できるところは楽したいやん。草を利用して農薬を使わんと虫をこらっしゃげれたら財布も気持ちもうれしいやん。面子とかなしで。そのための説明は惜しまない。口頭での説明はその都度どんどん行なっていくとして、今もうヘアリーベッチがワッサーってなってるところには看板を立てることにしたが。

草コミュニケーションのほうがさしあたっての課題やが。

草コミュニケーションのほうがさしあたっての課題やが。

 看板はわしがアウトラインをパソコンで作って、挿絵やルビを嫁さんにしてもろたん。このおつくんっていうのがわしなんやけど似てるかなあ。わしこんなにおっさんかなあ。いやおっさんやけど。なんでおつくんかというと、嫁さんがわしを呼ぶときに、おっちゃん→ちゃんおつ→おつくんになったんやが。わしが一人で作ると硬くなるかあほみたいになるかどちらかやきんな。嫁さんのイラストで地域の子供たちにも興味を持ってもらったらこんなに嬉しいことはない。

 かくのごとくこのブログも含めたいろいろな手段でコミュニケーションをはかっていこうとしよるんやけど、どうしても対話ができん奴らがおる。こいつらやがー。

草コミュニケーションのほうがさしあたっての課題やが。

 播いたばかりのソルゴーの種を食いに来た鳩!ドバト!トラクターのロータリーでの覆土ではどうしても地表に出る種もあるきんな。こらくそ食うなあって手を叩いて追い払うんやけど、すぐもんてくる。せめてここで糞してから帰ってつかよ。

 



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