2010年01月01日

踊らされるのはもうやめて、踊ろっぜ~。

ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想(DOJIN選書28)
畝山 智香子
化学同人
売り上げランキング: 5039
おすすめ度の平均: 5.0
5 食品=未知の化学物質のかたまり


 農業書ブログのほうでも紹介したけど、百姓だけじゃなくて、食べ物を食べる全ての人(要するにみんな)に読んでもらいたい本やが。

 2008年の中国毒餃子事件はニンニク産地のこのあたりにも影響を及ぼしたんや。その年、国産ニンニクが例年の3倍にまで高騰し、ニンニク農家はウハウハのメシウマやったんやが。それもこれも「中国産」の危険性をメディアが煽り、不安が世に広がったからや。

 あれは明らかに農薬が加工以後の段階で添加された事件やった。しかし農薬や添加物の安全基準がどのように決められているかを知っとる人がどれだけおるのやろうか。念には念を入れて決められたそういう基準をちゃんと知っておけば不安を煽られていらん銭を払う必要もない。最近は御丁寧にも野菜についた農薬を洗い流す洗剤なんてものを売っとるそうやけど、はっきり申し上げて不安商売やがな。農薬の散布基準を守って野菜を作っとる百姓を馬鹿にしとる。

 そんな野菜は、もちろん有機野菜もそうやけど、化学物質の固まりなんやが。しかも農薬や添加物と違って、試験されていない化学物質の固まり。現代の知見を持ってしてもワケ分からんもんもたくさん含む。でも、そういう野菜や果物を食べて人間は生きてきた。だから不安に思う必要はない。でも、好き嫌いせず、(例えばマクロビみたいな)変な理屈で食べるものに枠をはめずに、いろんなものを食べる必要はある。なぜならば、基本的に食べ物はワケ分からんもんばかりやから、リスクを分散させたほうがええきんや。小学校で習うことやな。しかしこれが大事なんや。

 というわけで百姓たるわしは、今年はもっともっと品数を増やしていこうと思うんやが。みんなもいろんな野菜や果物やお肉やお魚を食卓に並べて楽しくご飯を食べようで。

 ゼロ年代は日本では95年から始まったセキュリティ意識の高まりが健康面でも暴走して、それに乗じて商売する連中も増え、そんでもって人が踊らされる時代やった。テン年代はもう踊らされるのはやめて、知を得て美味しいもん食って楽しく踊ろうで。君と踊り明かそう日の出を見るまで。踊ろよベイビーや。


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この記事へのコメント
実際に農業やってみると化学肥料や農薬のありがたさがわかりました。

無農薬なんて・・・どこまでホンマやろとそっちの方が怪しいと今は思います。何ごともやってみないと、自分で経験せんとわからんものです。

ピーマンとかに引っ付いてくるあのカメムシみたいなやつが手ごわいです。
Posted by パーラ at 2010年01月01日 18:32
栄養学的にも生態系の面でも無農薬にこだわる理由はほとんどないんですよね。農薬はサイレントスプリングの時代から格段に安全に、そして選択的になってますし。
科学技術は進歩しているのに環境や安全にまつわる空気だけ70年代のままなんですよ。
Posted by kazuzokazuzo at 2010年01月02日 20:43
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