2009年06月08日

農家は自家消費用作物には農薬をかけないという都市伝説

 昨日、籾播きのときに苗立枯病予防のダコレート殺菌剤散布係のばあさんが薬液を少し残しとったんや。それどうすんの?と訊くと、「きゅうりにうどんこ(病)が出とるやろー。あれにかけるんじゃ」と。こらまてー。ダコレートはきゅうりにもうどんこ病にも登録はないがな。ダコレートはダコニールとベンレートという二つの殺菌剤を最初から混ぜとる強力な殺菌剤や。登録作物はそれら単体よりすごく少ない。

 「あのなあ、ばあちゃん。これをきゅうりにかけたら牢屋に三年ぶちこまれるんやで」と、実際の法適用には目をつぶって脅かしといた。よそのとっしょりは知らんけど、うちのとっしょりは農薬をほんまに知らん。農協に指導されとるぶん以外は勝手流で、たまに恐ろしいことを言う。そやきん、農薬はすべてわしが管理することにしとる。

 きゅうりは自家消費用…早い話が家庭菜園でばあさんが育てとるんやけど、最近の乾燥した気候でうどんこ病が出とる。メロンにも出とる。親父が趣味で作っとるズッキーニにも出とる。そんなわけで普段それらに関知していないわしが、農薬散布のときだけ駆り出されることになる。ばあさんはあんなんやし、親父はスイーツおやじやきん農薬散布みたいなヨゴレ仕事はせんのや。こらどいや。

 そんなわけでカリグリーンを5リットル溶いて肩掛け散布機でちゃっちゃとかけて回る。まあわしも食うもんやしな、と自分を納得させながら。

 そんなわけで、一部で喧伝されとる、農家は自家消費用作物には農薬をかけないなんてことはないのよというのがこの記事の趣旨なんや。前置きが長かったけど。農薬精出してやらんとじょんならん出荷用ブロッコリーも、自慢やないけど他の誰よりも食いよる。だって農薬散布基準を厳格に守って作ってるし、ちゃんと洗って食えば問題ないんやもん。それになるべく人畜に優しい脱皮阻害剤やBT剤を使うようにしとるしな。虫や病気にやられて作物ができんのを自分の思考停止のせいにするほどあほうではない。

 そんな都市伝説を信じている人は松永和紀さんの本を読むといいよ。読みやすい文章で難しいテーマでも噛み砕いて納得させてくれるよ。

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松永 和紀
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